アルツハイマー。 世界アルツハイマーデー・月間

注目される『アルツハイマー治療薬』の動向

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「認知症」とは、認識力・記憶力・判断力が障害をうけ、社会生活に支障をきたす状態のことです。 そして、 「アルツハイマー」は、認知症の種類の1つです。 「アルツハイマー」をもっと詳しく 「アルツハイマー」は認知症の一種です。 そのため、アルツハイマー型認知症と呼ばれることもあります。 認知症の原因としては最も多く、認知症の約6割がアルツハイマー型認知症です。 そして、女性のほうがなりやすく、遺伝する場合もあるので、アルツハイマー型認知症の家族がいる場合には注意が必要です。 また、他の認知症の患者数があまり変動していないのに対して、アルツハイマー型認知症は増加傾向にあります。 そして、2018年3月現在ではまだ、 根本的な治療法はありません。 そのため、アルツハイマー型認知症になった場合は、抗認知症薬で進行を遅らせるしかありません。 このたんぱく質は通常、脳のごみとしてすぐに排出されます。 すると、脳細胞や脳の神経細胞などが減少し、脳の働きを低下させてしまいます。 そして、脳が萎縮 いしゅく してしまうのです。 この萎縮は海馬を中心に起こり、全体も萎縮してしまうと言われています。 なお、海馬は脳の中で、記憶などに関わる部位です。 症状 アルツハイマー型認知症の主な症状は記憶障害と判断力の低下と見当識障害です。 まず、記憶障害について解説します。 通常の物忘れでは、忘れていることを指摘されると思い出すことができます。 しかし、記憶障害では体験がそもそも記憶できてないので、忘れていることを指摘されてもまったく思い出すことができません。 次に、判断力の低下です。 例えば、ごみの捨て方や料理の仕方などを忘れてしまいます。 すると、部屋がごみだらけになったり、料理ができなくなったりします。 また、どの服を着たら適切かを判断することもできなくなるため、ちぐはぐな服を着てしまうこともあります。 そして、見当識障害です。 これは、場所・時間・人物などが認識できなってしまう症状です。 例えば、時計を見ても時刻がわからなくなったり、道がわからなくなって迷子になったりします。 他にも、身体機能が低下することで動きが不自由になっていきます。 ちなみに、症状の進行スピードには個人差があります。 そのため、数年で寝たきりになる人もいれば、10年たっても自立して暮らしている人もいます。 予防 アルツハイマー型認知症は初期症状がわかりにくく、気づきにくいのが特徴です。 そのため、少しでもおかしいと思ったら病院を受診して、早期発見をするのが重要です。 完治はできませんが、早期発見すれば、進行を遅らせ、より長く健康的な生活を送ることができるようになります。 また、睡眠不足の人は十分に睡眠が取れている人の5倍アルツハイマー型認知症にかかりやすいといわれているので注意が必要です。 なぜなら、脳は夜に老廃物を排出しているため、睡眠不足だと、十分に老廃物を排出できなくなるからです。 「認知症」をもっと詳しく 認知症とは、認識・記憶・判断力が障害を受け、社会生活に支障をきたす状態のことです。 上記のアルツハイマー型のほかにも脳血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症などがあります。 ここからはこれらの主な認知症について解説していきたいと思います。 脳血管性認知症 脳血管性認知症は認知症の中で2番目に多く、認知症の患者の20%強を占めると言われています。 そして、脳梗塞などと併発しやすいのが特徴です。 ちなみに、脳血管性認知症はアルツハイマー型認知症を併発する場合があります。 原因 脳血管性認知症の原因は動脈硬化により脳の血管が詰まったり、出血したりすることです。 すると、その部分の脳細胞に十分な酸素や栄養が送られなくなります。 これによりその部分の脳細胞が壊れてしまい、その部分が担っていた脳機能が失われてしまうのです。 症状 症状は壊れてしまった部位により異なります。 しかし、多くの人に共通する症状もあります。 例えば、意欲の低下や自発性の低下です。 つまり、すべてのことに対するやる気が低下し、自分から行動を起こすことが少なくなってしまうのです。 他にも、脳血管性認知症の患者は不眠に悩まされることが多いです。 また、ちょっとしたことに過敏に反応して怒り出してしまう「不穏」という症状もよく見られます。 そして、症状の変動が激しく、急に悪化したり、良くなったりします。 また、 脳の血管に原因があるので、脳梗塞などの発作が起こるたびに症状は重くなります。 予防 動脈硬化は生活習慣病により起こるので、 生活習慣病の予防をすれば、脳血管性認知症の予防にもつながることになります。 具体的には、ストレスをため込みすぎず、バランスのよい食事をとって、適度な運動をすれば、発症の可能性は大きく下がるでしょう。 レビー小体型認知症 レビー小体型認知症は認知症の中で3番目に多いタイプで、20%程度と言われています。 また、男性のほうが発症しやすいという特徴があります。 原因 レビー小体型認知症の原因は、「レビー小体」というたんぱく質が脳にたまることです。 これにより、脳の萎縮が起こってしまいます。 この点はアルツハイマー型認知症と似ていますよね。 そして、「レビー小体」というたんぱく質はパーキンソン病の原因にもなります。 そして、なぜこのタンパク質が脳にたまってしまうのかはよくわかっていません。 病名は発見者名。 症状 レビー小体型認知症の症状はパーキンソン病と似ています。 動きが緩慢 かんまん になり、体が硬くなって歩くのが難しくなっていきます。 そのため、転倒してしまうことも多く、注意が必要です。 そして、幻視により本当は見えないものが見えたり、幻聴により本当は聞こえない音が聞こえたりします。 そして、寝ている時に夢に合わせて手足を動かしたり、夢遊病のように歩き出したりします。 その他にも、気分や態度や行動などがころころ変わるようになってしまいます。 根治もできません。 しかし、 薬物治療により進行を遅らせることができます。 そのため、異変に気付いたらすぐに病院を受診し、早期発見に努めましょう。 早く見つければ見つけるほど、より長く健康的な生活を続けることができます。 前頭側頭型認知症 前頭側頭型認知症の患者は約12000人で、男女差はあまりないとされています。 45才~65才の初老期に発症することが多いです。 そして、10年以上かけてゆっくり進行することが多いのが特徴です。 原因 前頭側頭型認知症の原因は大きくわけて2つあります。 「ピック球」という異常構造物が脳の神経細胞の中にたまる場合と、「TDP-43」というたんぱく質がたまる場合です。 しかし、なぜこれらの物質がたまってしまうのかなど、 詳しいことはよくわかっていません。 症状 前頭側頭型認知症の症状は大きくわけて4つです。 まず1つ目の症状は、人格・性格の極端な変化です。 例えば、柔軟な思考ができなくなったり、反社会的な行動が増えたりすることが知られています。 2つ目は、決まった時間に決まった行動を繰り返さないと不機嫌になるという症状です。 例えば、朝ご飯の時間が1分ずれただけで怒鳴ったり、散歩で側溝の30㎝横をまっすぐ歩き、人とすれ違っても絶対に道を譲らなかったりします。 3つ目は状況と関係ない言葉が繰り返し出てくる症状です。 例えば、「電車が来た」という言葉を状況に関係なく口にし続けることがあります。 4つ目は物の名前が意味することが分からなくなってしまう症状です。 例えば、電話と言ってもそれが何を指すのかわからず、電話の前に来てはじめて意味がわかるということがあります。 予防 前頭側頭型認知症に予防法・有効な治療法はありません。 その他の認知症 主な認知症の原因はこれまでに解説した4つですが、その他の原因でも認知症になることがあります。 なぜなら、アンモニアには毒性があり、これが血管を通じて脳に到達すると、脳細胞を破壊してしまうからです。 他にも、重い貧血、心疾患などが認知症の原因になることがあります。 何らかの形で脳細胞が破壊されてしまうことで認知症は起こるのです。

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アルツハイマー型認知症の基礎知識

アルツハイマー

川崎医科大学附属病院 脳神経内科 砂田 芳秀 教授 背景 アルツハイマー病は進行性の疾患で、進行するにしたがって脳細胞が死滅し、脳萎縮をきたし、物忘れや日時・場所がわからなくなるなどの認知機能障害を生じます。 アルツハイマー病は認知症の原因の半数以上を占め、超高齢社会において解決すべき喫緊の課題となっています。 現在、認知症治療薬としていくつかの薬剤が使用されています。 しかし、アルツハイマー病は根本的治療が難しい疾患であり、さらなる治療薬の開発が求められています。 CiRAの近藤孝之 特定拠点講師、井上治久 教授らは、アルツハイマー病患者さん由来のiPS細胞を大脳皮質神経細胞 へ分化させ、その細胞を用いて、既に他の疾患で治療薬として用いられている既存薬の中から病因となるタンパク質アミロイドベータを減らす化合物のスクリーニング を行いました。 その結果、最も強力な候補物質としてブロモクリプチンを同定し報告しました。 ブロモクリプチンは、パーキンソン症候群などの治療薬として用いられている既存薬ですが、アルツハイマー病病因物質であるアミロイドベータを低減させる働きが、特にプレセニリン1遺伝子変異を持つ家族性アルツハイマー病患者さんのiPS細胞モデルで認められています。 医師主導治験の計画概要• (1) 治験課題名 「プレセニリン1遺伝子変異アルツハイマー病に対するTW-012R(ブロモクリプチン)の安全性と有効性を検討する二重盲検比較試験及び非盲検継続投与試験」• (2) 治験の目的 ブロモクリプチンはパーキンソン症候群などの治療薬として用いられている既存薬ですが、アルツハイマー病患者さんにおける安全性は明らかにされていないため、本治験では、患者さんに対する安全性および有効性を評価することを目的としています。 (3) 試験デザイン 三重大学医学部附属病院、京都大学医学部附属病院を含む多施設共同で二重盲検試験および非盲検試験 を行います。 家族性アルツハイマー病患者さんに、約50週間にわたって治験薬を内服していただきます。 (4) 主な適格基準 【選択基準】• プレセニリン1遺伝子に変異をもつアルツハイマー病患者• 信頼できる親密な関係のパートナー/介護者のいるもの• 患者さん本人または代諾者から文書による同意が得られているもの 等 【除外基準】• 錠剤の経口摂取が困難なもの• アルツハイマー病以外の病態による認知症が認められるもの• 心臓超音波検査により、心臓弁尖肥厚、心臓弁可動制限及びこれらに伴う狭窄等の心臓弁膜の病変の既往/合併のあるもの• 妊婦、授乳婦、妊娠している可能性がある女性(妊娠検査を実施し、妊娠の有無を確認する)、妊娠を希望している女性• 適格基準に関する詳細は以下のページをご覧ください(医療関係者向け)。 (5) 目標症例数 10例• (6) 治験実施機関 三重大学医学部附属病院、京都大学医学部附属病院、大阪大学医学部附属病院、徳島大学病院、東京都健康長寿医療センター、浅香山病院、川崎医科大学附属病院の7機関で実施予定です。 (7) 観察期間 参加者の通院の期間として、1年程度を予定しています。 (8) 治験参加の募集について 安全性の評価が主目的であり、限定された症例数に対して実施するため、募集は行いません。 (9) 備考 本治験に関する詳細につきましては、以下のサイトをご覧ください(医療関係者向け)。 医師主導治験の実施体制• 〇 主任研究者: 京都大学iPS細胞研究所 増殖分化機構研究部門 井上治久 教授 京都大学医学部附属病院 先端医療研究開発機構(iACT)流動プロジェクト(アルツハイマー病iPS創薬プロジェクト) プロジェクトリーダー• 〇 治験調整医師: 三重大学医学部附属病院 冨本秀和 神経病態内科学(脳神経内科) 教授 京都大学医学部附属病院 坂野晴彦 先端医療研究開発機構(iACT) 准教授• 〇 治験調整事務局 京都大学医学部附属病院 先端医療研究開発機構(iACT) 奥宮太郎、網野祥子、坂野晴彦 医師主導治験への支援 本治験は、京都大学発ベンチャーであるタイムセラ株式会社 代表取締役社長 渡邉敏文 より支援を受けて実施されます。 本治験の治験薬は、東和薬品株式会社 代表取締役社長 吉田逸郎 より提供を受けます。 用語解説• 注1)プレセニリン1遺伝子変異を持つ家族性アルツハイマー病 アルツハイマー病には、常染色体優性遺伝の若年発症の家族性と95%以上を占める孤発性とがある。 認知症を主症状として、平均発症年齢は40歳代、比較的病気の進行が速い傾向がある。 注2)二重盲検試験・非盲検試験 治験を行う際に、患者さんが治験薬を投与されているか偽薬(プラセボ)を投与されているかなどを、患者さん自身および治験担当医師や治験コーディネーターなどの治験にかかわる病院の医療関係者が分かっていない方法を二重盲検試験といい、分かっている方法を非盲検試験という。 注3)大脳皮質神経細胞 大脳の表面に広がる、灰白質という神経細胞の層を構成する。 知覚、随意運動、思考、推理、記憶など、脳の高次機能を司る神経細胞のこと。 注4)スクリーニング 多数の化合物の中から有効な化合物を見つけること。

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アルツハイマーとは~はじめに知っておきたい基礎知識~

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川崎医科大学附属病院 脳神経内科 砂田 芳秀 教授 背景 アルツハイマー病は進行性の疾患で、進行するにしたがって脳細胞が死滅し、脳萎縮をきたし、物忘れや日時・場所がわからなくなるなどの認知機能障害を生じます。 アルツハイマー病は認知症の原因の半数以上を占め、超高齢社会において解決すべき喫緊の課題となっています。 現在、認知症治療薬としていくつかの薬剤が使用されています。 しかし、アルツハイマー病は根本的治療が難しい疾患であり、さらなる治療薬の開発が求められています。 CiRAの近藤孝之 特定拠点講師、井上治久 教授らは、アルツハイマー病患者さん由来のiPS細胞を大脳皮質神経細胞 へ分化させ、その細胞を用いて、既に他の疾患で治療薬として用いられている既存薬の中から病因となるタンパク質アミロイドベータを減らす化合物のスクリーニング を行いました。 その結果、最も強力な候補物質としてブロモクリプチンを同定し報告しました。 ブロモクリプチンは、パーキンソン症候群などの治療薬として用いられている既存薬ですが、アルツハイマー病病因物質であるアミロイドベータを低減させる働きが、特にプレセニリン1遺伝子変異を持つ家族性アルツハイマー病患者さんのiPS細胞モデルで認められています。 医師主導治験の計画概要• (1) 治験課題名 「プレセニリン1遺伝子変異アルツハイマー病に対するTW-012R(ブロモクリプチン)の安全性と有効性を検討する二重盲検比較試験及び非盲検継続投与試験」• (2) 治験の目的 ブロモクリプチンはパーキンソン症候群などの治療薬として用いられている既存薬ですが、アルツハイマー病患者さんにおける安全性は明らかにされていないため、本治験では、患者さんに対する安全性および有効性を評価することを目的としています。 (3) 試験デザイン 三重大学医学部附属病院、京都大学医学部附属病院を含む多施設共同で二重盲検試験および非盲検試験 を行います。 家族性アルツハイマー病患者さんに、約50週間にわたって治験薬を内服していただきます。 (4) 主な適格基準 【選択基準】• プレセニリン1遺伝子に変異をもつアルツハイマー病患者• 信頼できる親密な関係のパートナー/介護者のいるもの• 患者さん本人または代諾者から文書による同意が得られているもの 等 【除外基準】• 錠剤の経口摂取が困難なもの• アルツハイマー病以外の病態による認知症が認められるもの• 心臓超音波検査により、心臓弁尖肥厚、心臓弁可動制限及びこれらに伴う狭窄等の心臓弁膜の病変の既往/合併のあるもの• 妊婦、授乳婦、妊娠している可能性がある女性(妊娠検査を実施し、妊娠の有無を確認する)、妊娠を希望している女性• 適格基準に関する詳細は以下のページをご覧ください(医療関係者向け)。 (5) 目標症例数 10例• (6) 治験実施機関 三重大学医学部附属病院、京都大学医学部附属病院、大阪大学医学部附属病院、徳島大学病院、東京都健康長寿医療センター、浅香山病院、川崎医科大学附属病院の7機関で実施予定です。 (7) 観察期間 参加者の通院の期間として、1年程度を予定しています。 (8) 治験参加の募集について 安全性の評価が主目的であり、限定された症例数に対して実施するため、募集は行いません。 (9) 備考 本治験に関する詳細につきましては、以下のサイトをご覧ください(医療関係者向け)。 医師主導治験の実施体制• 〇 主任研究者: 京都大学iPS細胞研究所 増殖分化機構研究部門 井上治久 教授 京都大学医学部附属病院 先端医療研究開発機構(iACT)流動プロジェクト(アルツハイマー病iPS創薬プロジェクト) プロジェクトリーダー• 〇 治験調整医師: 三重大学医学部附属病院 冨本秀和 神経病態内科学(脳神経内科) 教授 京都大学医学部附属病院 坂野晴彦 先端医療研究開発機構(iACT) 准教授• 〇 治験調整事務局 京都大学医学部附属病院 先端医療研究開発機構(iACT) 奥宮太郎、網野祥子、坂野晴彦 医師主導治験への支援 本治験は、京都大学発ベンチャーであるタイムセラ株式会社 代表取締役社長 渡邉敏文 より支援を受けて実施されます。 本治験の治験薬は、東和薬品株式会社 代表取締役社長 吉田逸郎 より提供を受けます。 用語解説• 注1)プレセニリン1遺伝子変異を持つ家族性アルツハイマー病 アルツハイマー病には、常染色体優性遺伝の若年発症の家族性と95%以上を占める孤発性とがある。 認知症を主症状として、平均発症年齢は40歳代、比較的病気の進行が速い傾向がある。 注2)二重盲検試験・非盲検試験 治験を行う際に、患者さんが治験薬を投与されているか偽薬(プラセボ)を投与されているかなどを、患者さん自身および治験担当医師や治験コーディネーターなどの治験にかかわる病院の医療関係者が分かっていない方法を二重盲検試験といい、分かっている方法を非盲検試験という。 注3)大脳皮質神経細胞 大脳の表面に広がる、灰白質という神経細胞の層を構成する。 知覚、随意運動、思考、推理、記憶など、脳の高次機能を司る神経細胞のこと。 注4)スクリーニング 多数の化合物の中から有効な化合物を見つけること。

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