日本 バイオ データ。 日本バイオデータ代表の緒方が執筆した書籍を出版しました

【日本バイオデータ解析】日本で流行中の新型コロナを系統解析をしたところ全く異なることが判明

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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の臨床像について、おおむね分かってきました。 敵を知ることで、戦い方も見えてきます。 そのための封じ込め(時間稼ぎ)でしたから、まずは発生初期における目的に至ったと言えます。 次は流行の立ち上がりに向けて、個人、家庭、学校、施設、病院、事業者・・・ それぞれに必要な備えをとりましょう。 新型コロナに感染したときの臨床像は、2つのパターンに分けられます。 まず、風邪症状が1週間ぐらい続いて、そのまま軽快するというもの。 この経過をとる人が大半です。 新型コロナといっても、重めに発症するわけではありません。 ほんとに風邪です。 ただ、普通の風邪は2,3日で治りますが、新型コロナだと長引くのが特徴です。 次に、風邪症状が1週間ぐらい続いて、倦怠感と息苦しさが出てくるもの。 体がむくんだり、下痢が重なる人もいるようです。 高齢者や基礎疾患のある方において、この経過をとる人が多いのですが、健康な壮年層にも見られることがあります。 一方、この経過を子どもがとることは極めて稀とされています。 感染してから発症するまでの潜伏期間は5日(1-11日)ぐらいで、入院を要するほどに重症化するのは、さらに10日(9. 1-12. 5日)経ったころだと見積もられています。 感染力が強いのは、発症から3~4日目ぐらいだと考えられていますが、重症化すると感染力も維持されて院内感染を引き起こしやすくなっています。 若者と高齢者で臨床経過が異なるので、重症化率と致命率についても世代別に考えた方がよいと思います。 いまだ、世代別の疫学報告はありませんが、私個人のざっくりとした印象で言うと・・・、若者の重症化率と致命率は、統計的に見れば、ほぼゼロ%でしょう。 一方、感染した高齢者の1割ぐらいが重症化して、1%ぐらいが死亡するのではないかと感じています。 これは、やや甘めの見積もりであって、要介護高齢者や入院患者では、さらにリスクが高まるものと考えてください。 というわけで、これから私たちは何をすべきか。 もはや、流行を抑止することは主たる目的ではなくなってきました(やれることはやるべきですが)。 むしろ、重症化する人を減らし、とくに新型コロナに感染して死亡する人をできる限り減らすことに力を注ぐべきです。 つまり、高齢者や基礎疾患のある人に感染させないようにしましょう。 そして、院内感染を防ぎましょう。 これに尽きます。 なお、基礎疾患のある人とは、糖尿病や高血圧、腎臓病など慢性疾患があって、定期の内服薬を要する人だと考えてください。 以下、これらの方々をハイリスク者と呼びます。 ハイリスク者がいる家庭では、ウイルスを外から持ち込まないように、玄関先にアルコールを置いて帰宅時の手指衛生を徹底してください。 アルコールが手に入らないなら、おしぼりでもいいです(やらないよりはマシ)。 とにかく、ドアノブなどあちこちを触ってから、洗面台に行っても手遅れだってこと。 同居する家族が風邪をひいたら、ハイリスク者と接触しないよう症状が治まるまで家庭内で隔離してください。 そして、風邪をひいている人が部屋を出るときは、マスクを着用させて、アルコールで手指衛生をしてください。 部屋の外では、できるだけ余計なものは触らないこと。 トイレに行った後は、触った場所をアルコールを染みこませたペーパータオルで拭うこと。 お風呂は最後に入ること。 バスタオルは絶対に共用しないこと。 こうした対応を発症してから7日間は頑張ってください。 それが困難であるなら、一時的にハイリスク者を親族の家などに疎開させることも考えてください。 なお、風邪症状に過ぎないのに新型コロナかどうかを確認するためだけに、救急外来を受診することは避けてください。 そこには、体調を悪化させたハイリスク者がたくさん受診しているのです。 彼らへ感染させないように協力してください。 また、救急外来には新型コロナの重症患者もいるかもしれません。 あなたが「ただの風邪」だったとしても、救急外来を受診することで新型コロナに感染して帰ってくることになるかもしれません。 流行期には、ハイリスク者の方々が人混みを避け、なるべく自宅で過ごしていただくことも大切ですね。 感染リスクのある病院に行く回数を減らすためにも、1カ月おきの外来受診を3カ月おきなど、長期処方とともに予約延長してもらうことも考えられます。 かかりつけの先生に相談してみてください。 高齢者施設の感染管理は極めて重要です。 100人の入所者がいる施設で新型コロナがアウトブレイクした場合、30人以上が発症し、10人以上が救急搬送を要して、数人がお亡くなりになるというイメージが必要です。 このような事態を避けるためにも、全力で感染管理に取り組みましょう。 まず、外から持ち込ませないこと。 流行期にあっては、原則として面会はすべて中止。 物品の搬入なども玄関先で行います。 どうしても入らなければならないのなら、玄関先でアルコールによる手指衛生を行って、トイレも含め共用の場所には立ち入らないように求めます。 職員についても、当然ながら玄関先で手指衛生。 そして、毎朝の検温と症状確認を自己申告ではなく、管理者による指差し確認を行います。 もし、軽微であっても症状があれば、絶対に休ませてください。 絶対にです。 勤務中であっても症状を認めたら、絶対に休ませてください。 もう一度言います。 絶対にです。 なお、流行期においては、出勤できる職員数が半減することも想定しなければなりません。 このとき、すべての業務を継続させようとしたり、現場の判断で場当たり的に仕事をさせるのではなく、優先的に継続させるべき中核業務を決定しておくことが必要です。 入居者の協力のもと、どこまで業務をスリム化できるかが勝負です。 一方、悩ましいのは通所サービスですね。 ここでの感染管理を徹底することは不可能でしょう。 デイケアやデイサービスをどのように運用するのか・・・。 最善の方法は、流行期にはすべて休止させることです。 もちろん、その分、訪問系サービスを充実させる必要があります。 通所サービスの職員に、利用者宅を巡回させるなど工夫してください。 これは事業者だけで解決できる問題ではないので、市町村が主導するなどして、どうすべきかを急ぎ話し合っていただければと思います。 いま、話し合ってください。 === 【追記1】ここに紹介した文章も図表も、著作権主張しません。 皆さん自由に使ってください。 それぞれの現場の実情に応じて改変されるのも自由ですが、その際は私の名前を引用元としないよう御配慮ください。 【追記2】神戸大学の岩田先生より、冒頭の段落において「達成した」としたのは「成功した」という印象を与える恐れがあるとの指摘がありました。 政府が行ってきた検疫強化などの封じ込め策には、エビデンスを収集するための時間稼ぎという目的があります。 しかしながら、その目的に「至った」のは、政府による封じ込め策による成果とは言いきれず、あるいは中国や日本国内の医療者からの迅速な臨床情報の提供など、様々な要因によるものだったと考えられます。 また、政府の施策が妥当であったかについては、今後の検討を要することだと思います。 そこで、ご指摘に従って「達成した」を「至った」と改めました ただ、ここに書かれていないことを敢えて言うと、対策本部は専門家の意見が通る状況ではないんじゃないかと思う。 ゴタゴタを避けるために言葉を濁してるけど、非常に風通しが悪い状態で「対処」が推移してるから、ある種の親近感というか、ぶっちゃけデスマ臭が。 江戸時代には消毒薬としての実績あるし。 高山さんの文章ですね。 内容は全く妥当。 政府の公式見解として発表していいくらいの内容。 「時間稼ぎには意味がある」という意見は見かけないこともなかったですが、かなり良心的な意見です。 意味があるという意見には100%同意でしたが、概ね冷笑されていた気がします。 「流行期」が終わるのはウイルスが飽きた時(弱毒化の生存戦略を取る)かなと思っています。 だがスイートスポットに入って、感染力と毒性が今のように維持されたまま地球の端っこまで行くのじゃないかと。 というのはワーストシナリオですが。 ベストシナリオでも、中国のようになったら何時「解除」できるのか。 中国で感染拡大が鈍っているのは「社会停止」をやっているからです。 停止は経済停止を招く。 かといって動かせば感染拡大に転じる。 これが「流行期」が終わらないシナリオです。

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「 日本全国のデータに基づいたアンチバイオグラム作成 」研究協力のお願い

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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の臨床像について、おおむね分かってきました。 敵を知ることで、戦い方も見えてきます。 そのための封じ込め(時間稼ぎ)でしたから、まずは発生初期における目的に至ったと言えます。 次は流行の立ち上がりに向けて、個人、家庭、学校、施設、病院、事業者・・・ それぞれに必要な備えをとりましょう。 新型コロナに感染したときの臨床像は、2つのパターンに分けられます。 まず、風邪症状が1週間ぐらい続いて、そのまま軽快するというもの。 この経過をとる人が大半です。 新型コロナといっても、重めに発症するわけではありません。 ほんとに風邪です。 ただ、普通の風邪は2,3日で治りますが、新型コロナだと長引くのが特徴です。 次に、風邪症状が1週間ぐらい続いて、倦怠感と息苦しさが出てくるもの。 体がむくんだり、下痢が重なる人もいるようです。 高齢者や基礎疾患のある方において、この経過をとる人が多いのですが、健康な壮年層にも見られることがあります。 一方、この経過を子どもがとることは極めて稀とされています。 感染してから発症するまでの潜伏期間は5日(1-11日)ぐらいで、入院を要するほどに重症化するのは、さらに10日(9. 1-12. 5日)経ったころだと見積もられています。 感染力が強いのは、発症から3~4日目ぐらいだと考えられていますが、重症化すると感染力も維持されて院内感染を引き起こしやすくなっています。 若者と高齢者で臨床経過が異なるので、重症化率と致命率についても世代別に考えた方がよいと思います。 いまだ、世代別の疫学報告はありませんが、私個人のざっくりとした印象で言うと・・・、若者の重症化率と致命率は、統計的に見れば、ほぼゼロ%でしょう。 一方、感染した高齢者の1割ぐらいが重症化して、1%ぐらいが死亡するのではないかと感じています。 これは、やや甘めの見積もりであって、要介護高齢者や入院患者では、さらにリスクが高まるものと考えてください。 というわけで、これから私たちは何をすべきか。 もはや、流行を抑止することは主たる目的ではなくなってきました(やれることはやるべきですが)。 むしろ、重症化する人を減らし、とくに新型コロナに感染して死亡する人をできる限り減らすことに力を注ぐべきです。 つまり、高齢者や基礎疾患のある人に感染させないようにしましょう。 そして、院内感染を防ぎましょう。 これに尽きます。 なお、基礎疾患のある人とは、糖尿病や高血圧、腎臓病など慢性疾患があって、定期の内服薬を要する人だと考えてください。 以下、これらの方々をハイリスク者と呼びます。 ハイリスク者がいる家庭では、ウイルスを外から持ち込まないように、玄関先にアルコールを置いて帰宅時の手指衛生を徹底してください。 アルコールが手に入らないなら、おしぼりでもいいです(やらないよりはマシ)。 とにかく、ドアノブなどあちこちを触ってから、洗面台に行っても手遅れだってこと。 同居する家族が風邪をひいたら、ハイリスク者と接触しないよう症状が治まるまで家庭内で隔離してください。 そして、風邪をひいている人が部屋を出るときは、マスクを着用させて、アルコールで手指衛生をしてください。 部屋の外では、できるだけ余計なものは触らないこと。 トイレに行った後は、触った場所をアルコールを染みこませたペーパータオルで拭うこと。 お風呂は最後に入ること。 バスタオルは絶対に共用しないこと。 こうした対応を発症してから7日間は頑張ってください。 それが困難であるなら、一時的にハイリスク者を親族の家などに疎開させることも考えてください。 なお、風邪症状に過ぎないのに新型コロナかどうかを確認するためだけに、救急外来を受診することは避けてください。 そこには、体調を悪化させたハイリスク者がたくさん受診しているのです。 彼らへ感染させないように協力してください。 また、救急外来には新型コロナの重症患者もいるかもしれません。 あなたが「ただの風邪」だったとしても、救急外来を受診することで新型コロナに感染して帰ってくることになるかもしれません。 流行期には、ハイリスク者の方々が人混みを避け、なるべく自宅で過ごしていただくことも大切ですね。 感染リスクのある病院に行く回数を減らすためにも、1カ月おきの外来受診を3カ月おきなど、長期処方とともに予約延長してもらうことも考えられます。 かかりつけの先生に相談してみてください。 高齢者施設の感染管理は極めて重要です。 100人の入所者がいる施設で新型コロナがアウトブレイクした場合、30人以上が発症し、10人以上が救急搬送を要して、数人がお亡くなりになるというイメージが必要です。 このような事態を避けるためにも、全力で感染管理に取り組みましょう。 まず、外から持ち込ませないこと。 流行期にあっては、原則として面会はすべて中止。 物品の搬入なども玄関先で行います。 どうしても入らなければならないのなら、玄関先でアルコールによる手指衛生を行って、トイレも含め共用の場所には立ち入らないように求めます。 職員についても、当然ながら玄関先で手指衛生。 そして、毎朝の検温と症状確認を自己申告ではなく、管理者による指差し確認を行います。 もし、軽微であっても症状があれば、絶対に休ませてください。 絶対にです。 勤務中であっても症状を認めたら、絶対に休ませてください。 もう一度言います。 絶対にです。 なお、流行期においては、出勤できる職員数が半減することも想定しなければなりません。 このとき、すべての業務を継続させようとしたり、現場の判断で場当たり的に仕事をさせるのではなく、優先的に継続させるべき中核業務を決定しておくことが必要です。 入居者の協力のもと、どこまで業務をスリム化できるかが勝負です。 一方、悩ましいのは通所サービスですね。 ここでの感染管理を徹底することは不可能でしょう。 デイケアやデイサービスをどのように運用するのか・・・。 最善の方法は、流行期にはすべて休止させることです。 もちろん、その分、訪問系サービスを充実させる必要があります。 通所サービスの職員に、利用者宅を巡回させるなど工夫してください。 これは事業者だけで解決できる問題ではないので、市町村が主導するなどして、どうすべきかを急ぎ話し合っていただければと思います。 いま、話し合ってください。 === 【追記1】ここに紹介した文章も図表も、著作権主張しません。 皆さん自由に使ってください。 それぞれの現場の実情に応じて改変されるのも自由ですが、その際は私の名前を引用元としないよう御配慮ください。 【追記2】神戸大学の岩田先生より、冒頭の段落において「達成した」としたのは「成功した」という印象を与える恐れがあるとの指摘がありました。 政府が行ってきた検疫強化などの封じ込め策には、エビデンスを収集するための時間稼ぎという目的があります。 しかしながら、その目的に「至った」のは、政府による封じ込め策による成果とは言いきれず、あるいは中国や日本国内の医療者からの迅速な臨床情報の提供など、様々な要因によるものだったと考えられます。 また、政府の施策が妥当であったかについては、今後の検討を要することだと思います。 そこで、ご指摘に従って「達成した」を「至った」と改めました ただ、ここに書かれていないことを敢えて言うと、対策本部は専門家の意見が通る状況ではないんじゃないかと思う。 ゴタゴタを避けるために言葉を濁してるけど、非常に風通しが悪い状態で「対処」が推移してるから、ある種の親近感というか、ぶっちゃけデスマ臭が。 江戸時代には消毒薬としての実績あるし。 高山さんの文章ですね。 内容は全く妥当。 政府の公式見解として発表していいくらいの内容。 「時間稼ぎには意味がある」という意見は見かけないこともなかったですが、かなり良心的な意見です。 意味があるという意見には100%同意でしたが、概ね冷笑されていた気がします。 「流行期」が終わるのはウイルスが飽きた時(弱毒化の生存戦略を取る)かなと思っています。 だがスイートスポットに入って、感染力と毒性が今のように維持されたまま地球の端っこまで行くのじゃないかと。 というのはワーストシナリオですが。 ベストシナリオでも、中国のようになったら何時「解除」できるのか。 中国で感染拡大が鈍っているのは「社会停止」をやっているからです。 停止は経済停止を招く。 かといって動かせば感染拡大に転じる。 これが「流行期」が終わらないシナリオです。

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NBDC いま、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)および同ウイルスによる新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の研究が世界各地で急ピッチに進められ、関連するデータが続々と登録・共有・公開されています。 このような迅速なデータ公開が可能なのは、データ公開のための情報基盤が、日頃、綿々と維持され、今回のような事態に対して弾力的に対応可能な組織体制が構築されているからです。 この記事では、同じくデータ公開のための情報基盤の構築・維持を地道に行うNBDCのスタッフとして、そうした研究に従事する皆さまへの尊敬の念を込め、新型コロナウイルスに関連して現在公開されている研究データやwebリソースを紹介します。 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のゲノム情報について 2020年2月4日、生命情報・DDBJセンターは、ゲノム配列とその他関連情報が、アメリカNCBIが運営するGenBank から公開されていることを発表しました()。 また、同じ発表のなかで、一部のSARS-CoV-2配列データはにより共有されることがある、としています。 GISAIDイニシアチブは、研究者の国際的な協調による研究の迅速化を目的とした取り組みです。 インフルエンザウイルスの配列情報やヒトに感染するウイルスに関連した医療データ・臨床データを、論文発表に先だって世界中のGISAIDメンバーとして登録されている研究者間で共有します。 SARS-CoV-2の系統樹は「Nextstrain」で閲覧できる (2020年6月1日追記) GISAIDによって共有されたゲノムデータから作成された系統樹は「」にて閲覧することができます。 Nextstrainは、新しいゲノムデータが利用可能になるたび継続的にアップデートしており、可能な限り最新の図になっています。 「Nextstrain」は、進化する病原体集団のゲノム変異をもとに、伝達経路と系統樹についてインタラクティブなデータの可視化を提供するためのサイトです。 様々なコミュニティが分析に用いることのできるバイオインフォマティクスツールシリーズ(Augur)、系統発生学および系統地理学データを表示するwebベースの視覚化プログラム(Auspice)をオープンソースとして提供しています。 これらのツールを使って、今回のSARS-CoV-2のように特定の重要な病原体について公開データを分析した結果を図として提供しています。 SARS-CoV-2の系統樹は自分のPCでも作成できる GISAIDは限定された研究者向けのデータですが、GenBankに登録されたデータはどなたでもダウンロードすることができます。 例えば、自分のパソコン上で、今回の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)、2002年から2003年にかけて猛威を振るった重症急性呼吸器症候群(SARS)の原因となったコロナウイルス(SARS-CoV)、2012年に初めて確認された中東呼吸器症候群(MERS)の原因となったコロナウイルス(MERS-CoV)とのゲノム配列の違いを閲覧・比較することもできます。 以下の講義資料では、SARSウイルス(SARS-CoV)のゲノム配列データを題材に、 「MEGA」という世界的に有名な解析ソフトウェアを用いてウイルスの分子系統樹を描く方法を紹介しています。 ただ、6年も前で情報が古くなっています。 特に、MEGAの最新バージョンは10(MEGA X)であるところ、本資料ではバージョン6を用いており、画面や手順が異なる場合があるのでご注意ください。 DBCLSがNBDCとの共同研究の一環で運営する「」には、MEGAの最新バージョンを用いた分子系統樹の推定についての講義動画(日本語)が掲載されています。 登壇者はMEGAの開発者である首都大学東京(東京都立大学)の田村教授です。 なお、MEGAは公式ページでマニュアル、チュートリアル動画など(英語)を数多く提供していますので、合わせてご参照ください。 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が持つタンパク質立体構造データについて 2020年2月5日、wwPDBは、新型コロナウイルスが持つプロテアーゼと呼ばれるタンパク質の立体構造を公開したことを発表しました()。 2月26日にはウイルス表面のスパイクタンパク質の構造データが公開されるなど、毎週データが公開されています。 ウイルスのプロテアーゼやスパイクタンパク質は、細胞に感染する際に重要な役割を担う分子です。 コロナウイルスプロテアーゼについては「今月の分子」のにて詳しく紹介されています。 「今月の分子」は「」を翻訳したもので、PDBjが運営しています。 タンパク質立体構造は創薬研究の基盤となる重要なデータです。 そのリポジトリは国際的な枠組みであるwwPDBにより、日米欧の三極体制下で運営されています。 日本の代表は大阪大学蛋白質研究所が運営するPDBjです。 今回公開されたデータは中国の研究グループが決定したもので、wwPDBが定める地域分担に基づき、PDBjが登録作業を実施しました。 2020年3月11日には、wwPDBのアジア代表で、大阪大学蛋白質研究所が運営するPDBjが、を公開しました()。 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)や新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関連するデータポータル (2020年5月25日追記) 名称 概要 米国NCBI(国立生物工学情報センター)が運営。 同研究所が収集するSARS-CoV-2・COVID-19関連データを閲覧・検索できます。 EBI(欧州バイオインフォマティクス研究所)が運営。 同研究所およびその協力機関が収集するSARS-CoV-2・COVID-19関連データを閲覧・検索できます。 国際研究コミュニティFAIRsharing. orgが運営。 同団体が収集したSARS-CoV-2・COVID-19関連のデータベースや各種基準・ポリシー等を検索できます。 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療薬 候補に関する情報 現時点で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療薬はなく、候補薬に効果があるかについて研究が進められている状況です。 を用いると、そうした医薬品の情報を検索することができます。 ここでは、治療薬の候補としてメディアでも取り上げられている2つの薬に関するデータを紹介します。 医療用医薬品 : アビガン KEGG DRUG: レムデシビル KEGG MEDICUSについて KEGG MEDICUSは京都大学の金久實特任教授が開発・運用するデータベースで、ヒトゲノム、病原体ゲノム、様々なメタゲノムなどのシークエンス解読と有効利用を促進する統合リソースです。 KEGG MEDICUSでは、国内外の他のデータベースの関連情報へのリンクも整備されていて、例えば米国PubChem、欧州ChEMBL、大阪大学LigandBoxの関連ページへ直接アクセスすることができます。 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)や新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するその他のWebリソース (2020年6月1日一部追記) NBDCが4省連携の枠組みで運営する「」(以下、「カタログ」と略します)では、国内外の研究用データベース情報を整理・発信しています。 新型コロナウイルス関連では、次のようなデータベースが登録されています。 名称 (カタログへのリンク) 分類 概要 (カタログより一部改変・追記。 ) 日本語・研究者向け 国立感染症研究所の所有する病原体や感染症研究関連の画像や映像を閲覧できるサイトです。 病原体の電子顕微鏡写真が掲載されています。 新型コロナウイルスについては、国立感染症研究所で分離に成功したウイルスの電子顕微鏡写真が掲載されているほか、研究用材料(ウイルス、細胞)提供に関する情報も記載されています。 日本語・医療者向け 感染症法に基づいて感染症の報告がなされる際の検査の標準化のために、国立感染症研究所と全国地方衛生研究所の共同作業で作成された検出マニュアルです。 感染症ごとに検出マニュアルをPDFファイルから閲覧できます。 については、2月4日公開後、7回更新されています(2020年5月時点でVer. また、本マニュアル記載の検査法の運用についてのガイドラインも合わせて公開されています(2020年5月時点で第3版)。 日本語・医療者・一般向け 感染症の情報を疾患名から検索できるデータベースです。 感染症の基本情報から、最新の疫学情報を世界保健機構(WHO)、 アメリカ合衆国・疾病対策センター(CDC)、国際獣疫事務局(OIE)などから邦訳も含めて得ることができます。 本サイトとともに「」 も提供されています。 新型コロナウイルスに関する情報は、にまとめられています。 は、「感染症発生動向調査 週報(IDWR)」から転載された各種情報(COVID-19の全世界の感染者数・死亡者数、国内のPCR検査陽性者数・死亡者数、国内のCOVID-19感染症例に関する記述疫学、国内の行政対応など)やクルーズ船内での集団発生事例についての中間報告などが公開日順に掲載されています。 英語・研究者向け カテゴリーA、B、および C の優先病原体、新興感染症病原体、非病原性微生物および研究コミュニティに関連する他の微生物学的材料を研究するための試薬、ツールおよび情報を提供するリポジトリです。 新型コロナウイルスに関する情報は、にまとめられています。 英語・研究者向け 複数のウイルスファミリーのデータと分析ツールを提供する統合リポジトリです。 アレルギー・感染症研究所(NIAID)のバイオインフォマティクスリソースセンター(BRC)プログラムの支援を受けています。 配列レコード、遺伝子およびタンパク質のアノテーション、3Dタンパク質構造、免疫エピトープの位置、臨床およびサーベイランスのメタデータおよび比較ゲノム解析から導かれた新規データを含む様々なタイプの情報を収録しています。 ウイルス学研究コミュニティに対するサービスとして、優先度の高い病原体やその他のウイルスの診断、予防、治療法の開発を手助けするべく、無料で提供されています。 新型コロナウイルスに関する情報は、 にまとめられています。 英語・研究者向け ExPASy Webサーバーはスイス生物情報科学機構(SIB)において提供されるプロテオミクス分野に向けた統合サービスです。 タンパク質やプロテオミクスを中心とした種々のデータベースや解析ツールにアクセスできます。 (2020年6月1日追記) 英語・研究者向け ExPASyに含まれるデータベースの1つであり、ウイルスの遺伝子やファミリーのためのウェブリソースです。 ウイルスやゲノムの特徴に加えて詳細な分子や疫学情報を提供します。 コロナウイルス関連の研究情報をデータベース横断的に調べる (2020年6月1日一部追記) NBDCが運営する「」を使えば、上記のような各リソースに一つ一つアクセスすることなく、横断的に検索することができます。 ただし、上述のリソース全てが検索対象になっているわけではないことにご注意ください(「」)。 例えば、「と「」やJ-STAGEの文献、JSTシソーラスなどがヒットします。 このうち「ウイルス図鑑」では、。 検索演算子も利用できます。 例えば「SARS-CoV-2 SARSCoV2 SARSCoV-2 SARS-CoV2 新型コロナウイルス COVID-19 新型コロナウイルス感染症 2019-nCoV 2019nCoV Coronavirus corona-virus coronaviruses SARSCoV SARS-CoV Orthocoronavirinae」(「縦棒( )」で区切った単語のいずれかが含まれるページを検索)の検索結果は以下の通り。 なお、上記の検索条件に含まれる「Coronavirus」「Orthocoronavirinae」といった既存の専門用語は自動で翻訳され、日英両方で検索されます(本機能は、詳細検索画面からOFFにできます)。 生命科学データベース横断検索の特徴や使い方については、横断検索の、「」やもご参照ください。 更新情報 2020年3月12日:PDBjによる特集ページ開設を受け、立体構造データに関する記載を修正・追記。 合わせて一部文言を修正。 2020年5月25日:SARS-CoV-2研究データにUniProt特設ページ・CORD-19へのリンク追加。 データポータルの項目を追加。 合わせて一部文言を修正。 2020年6月1日:「新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の研究データ一覧」の補足情報へNextstrainについて追記。 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するその他のWebリソース」を改題し、リストを更新。 横断検索について検索演算子についての説明・ブログ記事等へのリンクを追加。 合わせて一部の表現や文章構成を修正。

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