レイモンド ローウィ。 レイモンド・ローウィの蒸気機関車

天才レイモンド・ローウィのデザイン哲学

レイモンド ローウィ

「 コカ・コーラ」ボトルは、世界で最も有名な製品パッケージだと言えるでしょう。 それを証明するかのように、伝説のインダストリアルデザイナー、 レイモンド・ローウィは「 コカ・コーラ」ボトルの縦に溝の走る曲線構造のデザインを「液体を包むのに完璧な形状」と評し、それは長年にわたり、美術、音楽、広告などさまざまな分野で脚光を浴びてきました。 アンディ・ウォーホルは大衆文化の象徴として「 コカ・コーラ」ボトルを描いているし、 フォルクスワーゲン社は、1960年代の広告で代表車種「 ビートル」のデザインの普遍性を表現するために「 コカ・コーラ」ボトルを引き合いに出したほどです。 それでは、「 コカ・コーラ」ボトルは、どのようにして誕生し、かくも象徴的な存在となったのでしょうか? 全ての始まりは、今から100年前のあるプロジェクトにありました……。 二人は販売権の及ぶ地理的な範囲が指定された契約書に署名しました。 これを契機に、二人は コカ・コーラ ボトリングカンパニーを設立し、ボトリングのフランチャイズ事業を立ち上げます。 そして1920年には、米国各地で1,200社を超えるボトリング工場が操業するまでになりました。 「 コカ・コーラ」の売り上げはソーダファウンテンとボトル販売の両方で伸び続けましたが、人気の高さが災いして、何十もの競合他社が模造品を製造し、消費者に売りつけようとする事態が発生しました。 当時の「 コカ・コーラ」ボトルは、直線構造のシンプルな形状をしており、色は茶色か無色透明が一般的でした。 全てのボトルには有名な「 コカ・コーラ」のロゴが刻印されていましたが、「 Koka-Nola」「 Ma Coca-Co」「 Toka-Cola」「 Koke」といった紛らわしい名前を冠した模倣ブランドは、「 コカ・コーラ」のロゴをそっくり真似したロゴや少しだけ改変したロゴをボトルにあしらい、消費者を混乱させました。 こうした商標権・販売権の侵害行為に対し、 コカ・コーラ社は法的措置を講じて対処することに乗り出しましたが、問題解決までに何年もかかることもありました。 その間も、ボトリング各社は自分たちの販売権利の保護を求め続けていたのです。 これは模造品との差別化を図るためのものでしたが、一つ欠点がありました。 当時、「 コカ・コーラ」は氷水の入った樽の中で販売されることが多く、水の中ではラベルがはがれてしまったのです。 さらに、ラベルまでそっくり真似する競合他社も出てきました。 1912年、 コカ・コーラ ボトリングカンパニーは傘下各社への通知の中で、「 コカ・コーラ」は独自のロゴを有しているものの、それだけでは販売事業を保護できないことを告げました。 そして、全てのボトリング会社の協力の下に「オリジナルのボトル」の開発を提案します。 コカ・コーラ社では、首席弁護士である ハロルド・ヒルシュとともに、オリジナルのボトルを開発する適切な方法が話し合われました。 ヒルシュは1914年に、ボトリング各社に対して熱意あふれる呼びかけを行っています。 「私たちは、『 コカ・コーラ』というブランドをいま現在のためだけに築いているのではありません。 私たちは永遠に続く『 コカ・コーラ』ブランドを築いていくのであり、『 コカ・コーラ』が未来永劫、国民的な清涼飲料であり続けることが願いなのです。 コカ・コーラ社及びボトリング各社の経営陣は、自分たちの子どもとも呼べるようなボトルを生み出すために、相当な費用をかけてできる限りのことをしています。 オリジナルのボトルが誕生した暁には、どうか、ボトルを変更することによるコスト負担にばかり目を向けるのではなく、このボトルの導入こそが、みなさん自身の販売権の確立に寄与するのだということを覚えておいてください。 販売の権利が守れるかどうかは、ボトルの開発とその利用に協力できるかどうかにかかっているのです」 1915年4月26日、 コカ・コーラボトリング協会は「 コカ・コーラ」オリジナルのボトルの開発に500ドルの予算を配分することを決定しました。 そして、米国各地にある8~10社のガラス業者に「暗闇で触れても地面に砕け散っていてもそれと分かるような特徴的なボトルの開発」というシンプルな条件を記した提案書を送り、ボトルデザインを選ぶためのコンペが開かれました。

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レイモンド・ロー『四柱推命鑑定術』は誰にも真似できない天才の占術│めぐり研究所

レイモンド ローウィ

ハリウッド映画『バック・トゥ・ザ・フーチャー』で主人公のマーティとドクは1955年にタイムスリップします。 その時代に独特のスタイリングで人気を博した乗用車メーカーのひとつにスチュードベイカー(Studebaker)があります。 なめらかな流れるようなラインが印象的なモデルをレイモンド・ローウィがデザインしました。 ローウィは「インダストリアル・デザインの父」と呼ばれています。 そのデザインの特徴は流線型(streamline)モチーフです。 「口紅から機関車まで」と表現されるように、ひげ剃りや鉛筆削りから長距離パスや鉄道車両まで、あらゆるプロダクトを流線型デザインでスタイリッシュに変えました。 また、インダストリアル・デザインにとどまらず、タバコのパッケージから大統領専用機エアフォース・ワンの外装なども手がけた、まさに 20世紀の代表的デザイナーのひとりです。 contents• それは複写機から始まった ローウィは1929年にゲステットナー社から複写機の外観の改良を依頼されます。 同社に限らずそのころの製品の外観は、部品を組み上げただけといったものでした。 彼はスチール製の黒いケースをデザインし、シンプルで機能的な製品に仕上げました。 インダストリアル・デザイン(industrial design)という言葉が生まれる前にローウィが初めておこなったインダストリアルデザインです。 これが評価され、コールドスポット(Coldspot)冷蔵庫の仕事が続きます。 ローウィはインダストリアル・デザイナーとして認知されます。 鉄道車両のデザイン 1937年にはペンシルバニア鉄道のために蒸気機関車や電気機関車のデザインを始めます。 20世紀前半ペンシルバニア鉄道は米国最大規模の鉄道会社でした。 ローウィがデザインしたS1形、T1形といった蒸気機関車は丸みを帯びた流線型で飛行機や宇宙船を思わせるような美しい外観を持っています。 ロゴデザイン スチュードベイカーのロゴデザイン レイモンド・ローウィのデザイン事務所は1930年代の後半から代表的自動車メーカーのひとつであるスチュードベイカーと関わりを持ちます。 流線型スタイリングを持つ歴史的なモデルをいくつか発表します。 このときメーカーのロゴもローウィがリニューアルしました。 それまで使われていたシンボルは車輪にブランド名を重ねた素朴なマークでした。 それを流れるような「S」を使ったシンプルなワードロゴに変更しました。 いま見ても1世紀前に作られたとは思えないとてもスタイリッシュなものです。 石油ブランド「エクソン」のロゴデザイン インダストリアル・デザインで名声を馳せたレイモンド・ローウィですが、多くの世界的ブランドのロゴもデザインしています。 石油大手のエクソン(Exxon)のロゴもローウィの手によるものです。 石油会社スタンダード・オイル・オブ・ニュージャージーはエッソ(Esso)というブランドを使っていましたが、他社からの訴えで米国内ではエッソブランドの使用を特定の地域だけに制限されてしまいました。 それ以外の地域で使うための代わりの新しいブランド名が必要になった同社はレイモンド・ローウィに依頼します。 彼は「Exxon」というブランド名を鉛筆書きのラフスケッチ76案とともに提案したと言われています。 いずれもふたつのエックス「xx」にポイントを置いた案ですが、これは「Esso」の「ss」を意識したものであり、古いブランドが新しいブランドに変わったことを示しています。 また最終的なロゴのつながった「X」は信頼性を表現しているとも言われています。 ローウィの提案の数年後、1972年にスタンダード・オイル・オブ・ニュージャージー社は、社名自体を「Exxon Corporation」に変更しました。 ちなみにエクソンは1999年に同じく石油大手のモービル(Mobil)と合併し、社名はエクソンモービルに変わりましたが、モービルのロゴはが制作しました。 石油ブランド「シェル」「BP」のロゴデザイン ローウィはほかにも世界的な石油ブランドを手がけています。 石油を中心にエネルギー事業をおこなっているロイヤル・ダッチ・シェル(Royal Dutch Shell)の有名なホタテ貝のロゴマークは、起源を20世紀初頭まで遡ります。 当初は写実的だった図柄は徐々にシンプルになり、色が赤と黄に決まるなど、時の流れとともに少しずつ変わっていったロゴですが、現在使われているロゴは1971年にレイモンド・ローウィが手がけたものです。 英国発祥のブリティッシュ・ペトロリアム(British Petroleum、略称BP)は盾とBPの文字を組み合わせたロゴを1930年から2000年まで使っていました。 時代とともに少しずつ修正が施されていましたが、1989年から2000年まで使われていたロゴもローウィの手によるものです。 アンビグラム・ロゴ ローウィが1969年に制作したフランスのファッションブランド「New Man」のロゴは、180度回転させても全く同じ形になります。 このような複数の角度から読めるグラフィカルな文字はアンビグラム(ambigram)と呼ばれます。 ローウィの「New Man」は今でもアンビグラムを使った代表的なロゴのひとつに数えられます。 世界的ブランドのパッケージデザイン コカコーラ社のデザイン 1940年代にザ・コカ・コーラ・カンパニー(The Coca-Cola Company)のクーラーボックスやドリンク・ディスペンサー、配送トラックなどをリ・デザインしました。 いずれも美しさと機能性を兼ね備えたもので、中でも配送トラックは配達員の要望に応えて設計し直して使い勝手を改善しました。 なお、あの曲線的なボトルのオリジナルデザインをローウィがおこなったと誤解されることも多いようですが、後に発売されたサイズバリエーションのリ・デザインに彼は関わっていました。 ナビスコのデザイン ビスケットなどで有名なナビスコ(Nabisco)のロゴは、楕円形の上にアンテナのような十字架を乗せた印象的なものです。 赤字に白で表されたこのロゴは1900年から使われていました。 これを三角形にしてパッケージの左上隅に斜めにレイアウトしたのがレイモンド・ローウィです。 宇宙ステーションのデザインコンサルタント アメリカ航空宇宙局(NASA)は、60年代初頭から70年代末まで人類を月に送るための「アポロ」計画と宇宙で実験するための宇宙ステーション「スカイラブ」計画を続けました。 レイモンド・ローウィは1967年から1973年まで、宇宙での居住性や快適さを実現するためのコンサルタントとしてNASAに貢献しました。 面白いエピソードがあります。 1968年に映画『2001年宇宙の旅』が公開された時、スカイラブ計画に関わっているローウィ事務所のデザイナーたちに、「米国宇宙開発の父」ヴェルナー・フォン・ブラウン(Wernher von Braun)博士がその映画を見るように進めたというものです。 ともかく、スカイラブ計画では宇宙飛行士が船内で過ごす時間が非常に長くなったので、レイモンド・ローウィをはじめとするデザイナーたちは新たに船内の配色などにも注意を払いました。 このようなアイデアにより狭く閉ざされた無重力の室内で飛行士たちが何週間も快適に任務を遂行できるようになったのです。 デザイン法則「MAYA」 レイモンド・ローウィは成功するデザインの法則を発見し、それを 「Most Advanced, Yet Acceptable」と表現しました。 「もっとも先進的だが受け入れることができる」という意味のこの言葉の頭文字をとって 「MAYAの法則または原理」(MAYA priciple)と呼ばれています。 「新しいものへの興味」と「見慣れないものへの抵抗」という2つの矛盾する心理を消費者は持っていることをローウィは発見しました。 消費者は新奇なものに惹かれるけれども、新しすぎると恐れを抱いてしまう為、そのちょうどいいバランスの状態を 「Most Advanced, Yet Acceptable」(もっとも先進的だが受け入れることができる)として、あらゆるデザインやソリューションにMAYA法則を適用しました。 フランスで生まれ、米国で活躍し、フランスで永眠 レイモンド・ローウィは1893年にフランスのパリで生まれました。 第一次世界大戦に従軍したのち1919年にニューヨークに移ります。 1980年に87歳で引退しフランスへ戻り、1986年にモンテカルロで永眠しました。 wikipedia. raymondloewy. slideshare. nytimes. coca-colacompany. logodesignlove. wikipedia. cocacola. ブログやWEBサイトなどでのご紹介は大歓迎です!.

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レイモンド・ローウィの蒸気機関車

レイモンド ローウィ

ペンシルバニア鉄道T1形蒸気機関車 基本情報 運用者 製造所 PRRアルトゥーナ工場 4560 - 4584(アルトゥーナ工場) 72764 - 72788(ボールドウィン) 製造年 1942年(試作機) 1945 - 1946年(量産機) 製造数 52両 主要諸元 2'BB2' 1,435 mm 長さ 37. 43 m 幅 3. 38 m 高さ 6111: 5. 03 m 16 ft 6 in 機関車重量 227. 8 t 動輪上重量 127. 0 t 炭水車重量 空車時: 89. 54 t 積載時: 200. 7 t 径 914 mm 動輪径 2,032 mm 従輪径 1,067 mm 32. 07 MPa 全伝熱面積 523. 65 t 水タンク容量 73,000 l 引張力 64,650 lbf 287. の意匠によるの車体と先進的機構で有名になったが、慢性的な空転という致命的欠陥 と、蒸気機関車からディーゼル機関車へのの波が相まって、短命に終わった。 概要 [ ] この機関車の特徴としては ()という機構を持つことが挙げられる。 これは動輪4軸を前後2組の動力機構に分けたもので、と似ているが2つの動力機構の間に関節がなく、1つの台枠に一体化しているという相違点がある。 デュープレックス式機は1938年に(車番6100 が1両のみ実験製造されており、T1形はその小型・実用性向上版として登場した。 戦時中の1942年に試作機2両(車番6110 - 6111)がボールドウィンで製作され 、戦後にアルトゥーナで25両(車番4560 - 4584)、ボールドウィンで25両(車番5525 - 5549)の計50両が量産されている。 開発 [ ] T1以前にペンシルベニア鉄道で新規に開発された旅客用機関車は、1914年から1928年まで生産されたと、1929年に実験的に生産されただけだった(性能に大差が無かったためにK5は2両のみの生産となっている)。 1930年代に入ると、K4が牽引可能な車輌数では運搬能力に不足が見られるようになり、で牽引する状態になる。 予備の機関車で運行自体は継続できていたものの、2輌の機関車にそれぞれ2名の乗員を乗せるので列車毎の経費が割高になってしまっていた。 また、ライバル社のでは、「」や「マウンテン」型、「ノーザン」などの新型の蒸気機関車を製造しており、ペンシルベニア鉄道の蒸気機関車は時代遅れになりつつあった。 そこで、常態化したK4形重連運用を1両で置き換えできることへの期待も含めて、より大型の旅客用蒸気機関車の開発が決定された。 1930年代後半、ペンシルベニア鉄道は蒸気機関車の開発を開始したがそれは従来までの保守的な開発とは異なっていた。 長年開発に協力したの設計者達は同社の最新の概念であるデュープレックス式の導入を提案した。 これはのみが備えていた2組の走行装置それぞれにシリンダーと連接棒を備えるという仕様を一体の台枠に収めたものである。 これにより、シリンダーの小型化と連接棒や主連棒の軽量化が可能となった。 デュプレックス式では主連棒の動きが完全に揃うことがないので、軌道上での「」を低減する事が期待され、小容積の気筒によって高速走行が実現できる予定であった。 運用 [ ] この車両は構造上の問題を抱えていたために、その運用・整備が困難であった。 デュープレックス式には主連棒の動きが完全に揃うことがないために空転しやすいという特徴があり、加えてトルクがあまりに強力過ぎたことによって車輪とレール間の粘着力不足が問題になったのである。 マレー式では主連棒の動きは自然と同期されるものであり問題とはならなかった。 対策としての変更や気筒の変更なども加えたものの解決せず、豪快なスリップは鉄道ファンを喜ばせただけに過ぎなかった。 保線員や整備員にとって悪夢としか言いようのない事態であり、K4形の復帰やディーゼル機関車に代替される形で、たちまちT1形は花形特急から普通列車に格落ちしてしまった。 ある鉄道史家は「 火室面積とボイラー容量以外はすべてよくできてる」と褒め、実際その二つが問題だったのであり、トルクが限度を超えたものでなければ、デュープレックス式にもハンマーブローの低減というメリットがあったのである。 また鉄道研究家で元国鉄技術者のはT1を「実績のない技術には慎重にならなければならないことの凡例」と評価した。 廃車とその後 [ ] T1形は1953年まで運用されたが、問題の原因究明と解決がなされないまま運用を終了した。 保存機は存在しない。 しかし、非営利団体「The T1 Trust」によりT1形の実物を新造しようとする動きがある。 脚注 [ ] []• , p. 271. , p. 275. 『蒸気機関車200年史』461頁• "In Defense of the 5500's", Volume 41, Number 1, Pennsylvania Railroad Technical and Historical Society Magazine, Spring, 2008• "Pennsy T1 comeback? Ten questions and answers for the T1 Trust", Volume 75, Number 5, Trains Magazine, May 2015. 『蒸気機関車200年史』410頁• Trains、2015年2月18日 参考文献 [ ]• 「アメリカライブペンシルバニアT-1」『』、、2006年6月。 久保田博 追憶の蒸気機関車 (グランプリ出版、2002年9月24日初版発行)• 齋藤 晃『蒸気機関車200年史』NTT出版、2007年。。 デイヴィッド・ロス 2007. 世界鉄道百科図鑑 - 蒸気、ディーゼル、電気の機関車・列車のすべて 1825年から現代. 悠書館. 外部リンク [ ] ウィキメディア・コモンズには、 に関連するカテゴリがあります。

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