タイワン アリ タケ。 アリに寄生して「ゾンビ化」させるカビは宿主の筋肉だけを巧みに操る

Cordyceps unilateralis:果樹研

タイワン アリ タケ

アリタケについて、画像が集まったのでまとめて載せる。 これ以外にもが以前にある。 この手のアリタケはイトヒキミジンアリタケ(Cordyceps sp. )と思っていた。 しかし、ネットで調べていくうちに、タイワンアリタケ(Ophiocordyceps unilateralis )も似ていることがわかった。 この違いがどこにあり、絵合わせてどこまで判断できるのかよく分からい。 ネットの情報では、サイトによってやや異なることが書いてあったりして、不確かな点もあるが、まとめてみた。 ・結実部は、イトヒキが黒い皿状なのに対し、タイワンは茶色で分厚い。 ・イトヒキは樹の根っこなどで見つかり、葉の裏で見つかるものはタイワンのことが多い ・タイワンはトゲアリに寄生。 ・以下の3点は、画像を見ての自分の判断だが、イトヒキは、結実部がストローマの中央よりやや下から、やや上あたりにできる。 タイワンは中央より下。 ・イトヒキは、虫体がつぶれたりきれいに残っていないことが多いが、タイワンは虫体がきれいに残っている画像が多い。 ・イトヒキは、ストローマが途中で二つに分かれたり、結実部が二つあったりと変化が多い。 それらを総合的に判断すると以下の画像はすべてタイワンアリタケということになる。 このアリタケはやや湿度の高そうな葉裏でよく見つかり、葉脈を顎ではさみ前足、中足を前方に突き出して体を固定した姿勢のことが多い。 節の間から茶色の菌糸が出ており、場合によっては虫体を覆うほど繁茂していることもある。 今の時期、1日に1,2体は見つかり、多い時は密集して10体近く見つかることもある。 寄主はすべて同一種と思われ、多分チクシトゲアリだろう。 ネットの情報が少し不安だったので、冬虫夏草図鑑(清水 大典著)を見てきました。 タイワンアリタケの特徴は トゲアリを寄主とする。 結実部は中央よりやや下方、チョコレート褐色で1-1. 2mm。 結実部から急に屈曲し先端は灰白色で、堅くしまっている。 照葉樹林で発生し、タイワンヤマモガシにつく。 きわめて稀。 イトヒキミジンアリタケの特徴は 子実体は針金状、上方から、中、下方と結実部の位置は不規則。 丸く薄い円盤状で、灰色か淡暗褐色。 広葉樹、照葉樹林の幹、コケ、岩の上につく。 どちらも合わない点があるが、やはり、タイワンアリタケの可能性が高そうだと判断。 1. 非常に新鮮で節の間からも菌糸がほとんど出ていない。 ツヤも非常によい。 しかし、独特の姿勢からアリタケに寄生されていると判断した。 単にムシカビに犯された可能性もあるが、雰囲気からアリタケの寄生と思う。 ただし、菌糸の色が通常より明るいのが少し気になる。 ストローマが約5mm伸びているが、結実部はない。 ストローマの色は灰色で普通のキノコのような瑞々しい質感がある。 よく見ると頭部と胸部の間から短いストローマが見えるので、折れたと思われる。 かなり古い感じ。 脚、触角の節の間から菌糸がかなり伸びており虫体を固定している。 グミの葉裏。 成長中なのか、折れて短くなったのかはよく分からない。 ホウロクイチゴの葉裏。

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アリに寄生するタイワンアリタケ

タイワン アリ タケ

アリに寄生するキノコの話 先日このような記事を書いたのですね。 両方ともヤフーニュースさんに連載されているデイリー新潮さんの 「えげつない寄生生物」という記事について書いたものでした。 今のところ3回掲載されており、近々19日に4回目が出る……とのことだったのですが、そういえば 今日はもう19日になってしまったのでした。 と、言うわけで、ヤフーニュースさんを見てみると 案の定以下の記事が掲載されていたのですね。 ……はい、 4回目です! ちなみに新潮さんの記事は以下なのですね。 ……こっちの方が画像が見やすいです。 1回目と2回目でゴキブリに寄生するハチのことを、3回目でカマキリに寄生するのことを書いていたので、今回も寄生生物は動物だろうと勝手に思っていたのですが… …違いました。 なんとまさかの キノコだったのですね。 ………記事では「カビ」と呼ばれていますが、 それだとなんとなくきちゃない感じがするので、この記事では「キノコ」で統一しようと思います。 そんなことを言ったらカビという生き物に対して失礼な気もしなくもないのですが、記事にもあるように カビとキノコの間に生物学的な区別はないため、名称の字面上の抵抗が無ければ(?)どちらで呼んでも構わないのですね。 なんにせよ、「キノコ」と呼べば少なくとも 恐ろしい寄生生物がなんとなくおいしそうに思えてくるのですね。 タイワンアリタケ Ophiocordyceps unilateralis さて………。 毎回一緒についてくる物語とイラストが寄生生物の世界観を見事に表してくれているのですね。 このキノコが一体どれほど「えげつない」かは問題の記事を見ていただくとして……。 記事によるとアリに感染していたのは 「子嚢菌類(しのうきんるい)」と呼ばれる菌類(真菌)の一種なのだそうです。 子嚢菌類とは 真核生物-菌界-子嚢菌門 に属する菌類の総称で、胞子を作る時に「子嚢」と呼ばれる嚢の中に詰め込むことで知られているのですね。 なんと、6億年前~5億年前、つまりエディアカラ紀の中盤からにかけての間に既に出現していたようです。 また子嚢菌というのは「門」ですから、動物にたとえるなら「脊索動物」「」「軟体動物」などと言うのと同じくらい大雑把な分類なのですね。 この下にさらに「亜門」があり、「綱」があり、「目」があり、「科」があり、「属」があり、それからようやっと「種」にたどり着くわけなのですが、問題のキノコはどうやら 学名「Ophiocordyceps unilateralis」という種類のようです。 「えげつない~」の記事には種類までは書かれていませんでしたが、なんと我らがさんの中に、 8年も前に書かれたこのキノコについての記事があり、そこではしっかり種類を名指しで特定してくれているのですね。 「Ophiocordyceps unilateralis」の生態を、わかりやすくイラストで解説してくれています。 おまけにBBCさんの動画まで引用してくれており、大変にわかりやすくまた大変気に入りましたので、 まことに勝手ながらリンクを貼らせていただくのですね。 ……動画を見るのは少々注意が必要かもしれませんが……。 またこのキノコ、残念ながら和名は無いのかなと思ったのですが、調べてみると 「タイワンアリタケ」という名前が見つかりました! 以後、この記事でも「タイワンアリタケ」と呼ぶのですね! カビ、キノコ、細菌 ところで、「えげつない~」の記事で「タイワンアリタケはカビかキノコか」ということに触れているのですね。 また同時に「真菌と細菌がどうの」とも言っています。 この辺ちょっとややこしいので、 一旦整理するのですね。 まず、キノコやカビの仲間を「菌類」もしくは「真菌」と呼びます。 ……面倒なのでここでは「真菌」に統一しましょう。 似たような言葉に「細菌」というのがあり、真菌と細菌は往々にして混同されがちなのですね。 ともすれば「菌」という生き物がおり、その中にさらに「真菌」と「細菌」という分類があるのか……などと思われることも結構多いようです。 ですがこの2つは同じ仲間ではなく、 レベルで全く異なる生き物なのですね。 というのは「域」とも呼ばれ、生物の分類階級の1つなのですね。 分類階級は大きなものから順に (域)-界-門-綱-目-科-属-種 となっていますが、もっとも大きな分類階級であるは、生物をその細胞レベルの構造の違いで分類したもので、今のところ3つのみが確認されています。 真核生物 ………なのですね。 「細菌」はそのまま細菌のことで、「」と合わせて「」などと呼んだりします。 対する「真核生物」は、細胞内に 「」と呼ばれる細胞小器官をもつ生き物のことです。 「細胞小器官」というのは、細胞の中に何種類かあって、それぞれ様々な特定の機能を担当する部品のことで、要するに 「細胞の内蔵」なのですね。 この中で「」というのは細胞の生殖や遺伝情報の保持など、かなり重要な役割を持つ器官なのですね。 これを持っているものが「真核生物」なのですね。 「真核生物」の下にはさらに植物が属する「アーケプラスチダ」や、動物や真菌が属する「オピストコンタ」といったグループがありますが、大事なのは「真菌」が「真核生物である」ということです。 ……つまり、こういうことなのですね。 キノコやカビは細菌とは違いますし、 植物でもありません。 むしろ分類上では動物に近い生き物なのですね。 記事には「真菌は細菌と違って、細胞内に核を持つ」とありますが、真菌に核があるのは真菌だからではなく、 真核生物だからなのですね。 ちなみにわれわれ多細胞生物は全て真核生物です。 また、カビとキノコの違いに関しては……単に 「子実体ができるかできないか」の違いでしかないのですね。 子実体とは胞子を作る器官であり、植物でいうところの 「花」にあたるものです。 早い話が、 われわれが「キノコ」と呼んでいるアレです。 つまり、カビとキノコの区別はあくまで「見た目」の違いであり、的な違いではないのですね。 ……イルカとクジラ、ワシとタカ、ガとチョウの違いみたいなものなのですね。 調べてみると大きな子実体ができているものをキノコというわけなので、やシメジなど、本来は「キノコ」と呼ばれる種類の菌類であっても、子実体を作る前の菌糸だけの状態では「カビ」と認識されることもあるようです。 ……本当に適当なのですね。 このような適当な分類にも関わらず、「カビ」と呼ぶか「キノコ」と呼ぶかで聞く人の食欲の度合いが大きく変わってしまうのですから 大変です。 「今 を栽培してるんだけど、 まだカビなんだ。 もう二三日したら キノコになってくれると思うから収穫でき次第ごちそうするよ」 ……などと言われたら、 「キノコになった後」でもなんとなく食べたくないのですね。 ……どちらで呼んでも変わらないのなら、とりあえず「キノコ」と呼んでおいた方が食欲が減退しなくてよさそうです(?) またキノコに毒キノコとそうでないキノコがあるのと同じように、カビにも毒があるものとそうでないものがいるのですね。 ……カビとキノコが同じものであるのなら、そうなるのは当然かもしれませんが……。 身近なところでは、日本酒を作るのに使われる麹カビ「Aspergillus oryzae」や、を作るのに使われる「Aspergillus awamori」には毒がないため、食品に入れても大丈夫なのですね。 ですが、同じ「アスペルギッルス属」のカビでも毒をもつものがおり、それらのカビを食品に使うのはご法度なのですね。 気門から感染するタイワンアリタケ ………大分話が逸れてしまったのですね。 我ながらどうしてこうなるのだろうか。 なんにせよタイワンアリタケは「真菌」であって「細菌」ではないということや、また「キノコ」か「カビ」かという呼び名については的には「どちらでもいい」ということがこれでわかったのですね! また真菌は卵でも種でもなく「胞子」という粉をばらまいて増えていきますが、タイワンアリタケの場合はアリさんがこの胞子を吸い込むことで感染してしまうのですね。 …… 空気感染………なのですね。 先の「えげつない~」の記事ではその過程も詳しく書かれています。 どうやらタイワンアリタケの胞子はアリの 「気門」から体の中に侵入するようです。 私たち哺乳類は鼻から空気を吸い込み、肺で酸素を取り出して血液にとかし、その酸素を血液が体の隅々まで運ぶことで呼吸していますね。 ですがアリなどの昆虫の呼吸器系は 「気管」と呼ばれるシステムになっています。 気管はその名の通り 「空気が通る管」で、私たちの体の中にもあるアレです。 私たちの場合、気管は肺の中だけで終わっていますが、昆虫の場合は まるで血管のように体中に張り巡らされているのですね。 そして昆虫が吸い込んだ空気は血液にとけるのではなく、 直接気管の中をとおって体の隅々にまで酸素を運ぶのですね。 ……つまり、血液を介さずに直接吸い込んだ空気を体中に送る構造になっているのですね。 では血管はどうなのかというと、昆虫含めるは「解放血管系」といって、心臓となる動脈以外の血管は存在せず、 心臓からあふれ出した血液は直接体の中の隙間をめぐる仕組みになっているのですね。 また当然ですが酸素は運ばず、栄養のみを運ぶようになっています。 ……つまり、 「酸素の循環系」と「栄養の循環系」とが完全に別々になっているのですね。 昆虫は体が小さいため、一旦血液に酸素をとかすよりも、直接空気ごとめぐらせた方が効率がいいのですね。 そしてこの気管の入り口のことを 「気門」といい、昆虫ではお腹の横に各体節に対応する形で付いているのですね。 ………きつね、「えげつない~」のイラストの説明を見て気門の位置がなんかヘンだと思ってしまったのです。 イラストでは気門が胸の横にまでついています。 確かお腹の横だけだったような……? ですが調べてみたらアリさんの場合は胸の横にもあるのですね……。 アリ同じ仲間であるハチもそうらしいです……? ……と、いうより、 昆虫はもしかして全部すべてそうなのだろうか……。 ……ちっとも知りませんでした。 私の知識はこういう肝心なところで抜けがあるのですね。 なんにせよ、おかげで気門に対する理解が深まりました。 私の気門に対する知見に新たなる光明をもたらしてくれたイラストに感謝なのですね! ……などという私の個人的な感謝の話は置いておくことにして……。 タイワンアリタケの胞子はこの気門に吸い込まれることで感染するのですね。 昆虫の気管は全身を巡っていますから、ここに胞子が入るとあっという間に全身にまわってしまいそうです。 われわれにたとえて言うなら直接血管の中に胞子が入ってくるのと同じなのですね。 ………怖すぎなのですね……。 免疫細胞で撃退できないのだろうか……。 恐ろしい寄生キノコだけど「ワクチン」が存在する? とりあえず、最後に「子実体」を作って胞子をばらまくことによって他のアリたちに感染する、と記事にはあります。 逆に言えば感染したアリが巣に戻って普通に生活していても、他のアリたちにキノコがうつってしまうことはないのでしょう。 また最後はタイワンアリタケの生育に適したジメジメと温かい場所にある植物に噛み付き、そのまま死んでしまうとのことです。 記事にはこのアリを解剖したとありましたが……あんな小さいもの、一体どうやって解剖するのだろうか……。 と、いうより、アリが植物に噛み付いた時点で既に頭の中がタイワンアリタケの細胞で一杯になっているって……怖すぎるのですね……! おまけにひとつのキノコから数えきれないほどたくさんの胞子がばらまかれるわけですから、 そのうち森じゅうが胞子だらけになってしまい、アリが全滅してしまいそうですね。 ですが、アリさんたちには朗報なことに、 実際にはそうはならないようです。 カ、立大学の昆虫学者デイビッド・ヒューズさんの研究によると、どうやら森の中には タイワンアリタケの活動を抑制する別の菌類が生息しているようです。 ……この菌類は新種らしく、まだ名前が付けられていないのですね。 なんにせよヒューズさんの研究によれば、その 「ワクチン菌」により、タイワンアリタケの胞子は6. 5%程度にまで抑えられてしまい、森中に拡散することはないのだそうです。 ……なんだか夢のような話なのですが、きっと 自然界のパワーバランスを保つための仕組みなのですね。 おそらくワクチン菌がいなければタイワンアリタケの感染力が強くなりすぎてしまい、 アリさんたちが全滅してしまうに違いありません。 タイワンアリタケ……恐ろしいキノコですが、 実際にアリに感染するのはごくわずかだけなのですね。 もしかするとアリさんたちがタイワンアリタケの感染で死亡する確率は、人間が交通事故に遭う確率よりも低いのではなかろうか……。 そう考えれば、不思議とタイワンアリタケもそんなに恐ろしいキノコではない気がしてきますね。 まぁもともと特定のアリにしか感染しないキノコなので、哺乳類である私たちにとってはそもそも恐ろしくもなんともないのですが……。 ……哺乳類に感染するこんなキノコが発見されたら、絶対に近づきたくありませんけど! kurokitsune.

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寄生キノコに感染したハエの頭があまりにもゾンビ化していた(※昆虫出演中)(2017年12月1日)|BIGLOBEニュース

タイワン アリ タケ

実況撮影中にふと隣の木の幹を見た時、妙な物が目に飛び込んで来ました。 和名「糸引微塵蟻茸」。 各種 アリを宿主とする気生型の冬虫夏草です。 ずっと出会いたかったので実況を忘れて大絶叫したのは良い思い出ですね。 本種は主に 木の幹に付くことで知られますが、葉裏や石にも付くそうです。 酷似した種にタイワンアリタケがあり、実際過去に混同されていました。 ですがタイワンは主に沢筋の葉裏に見られ、宿主もチクシトゲアリが大半。 イトヒキの宿主は多岐に渡り、子実体の形状も微妙に違いがあります。 ここで気になったのは宿主が乾燥でしぼんでいること。 凄い違和感でした。 と言うのもタイワンアリタケは多湿環境を好み宿主も萎まないことのです。 この環境は沢も湿地も無くごく普通の里山。 湿度はかなり低いはずです。 この点からタイワンアリタケと比べて本種は 乾燥に強いと思われます。 言うまでもなく 食不適です。 そもそも木に付いてて剥がすのも大変です。 コケが生えたような古い子実体も朽ちずに残っているので驚きました。 その中でも特に新鮮な子実体を発見!結実部に新しさが感じられますね。 このように3つも形成されることは本種では稀ですからね? 結実部は 黒色で子嚢殻は埋生。 子嚢殻の先端は少し突出しています。 一応子実体は首折れ型なのですが、結実部が小さくてそう見えませんね。 1本の幹に複数のアリが貼り付いて死んでいます。 この周囲一帯が発生坪のようで、ざっと見ただけで 50株は居ました。 壮絶な光景です。 基本幹に貼り付いているので、こう言う状態だと持ち帰りやすくて助かります。 ストローマは黒褐色ですね。 結実部は真っ黒でタイワンアリタケと比べると暗色で 扁平なのが分かります。 ストローマは長いのに結実部が小さいのでタイワンとはかなり雰囲気が違います。 何を思って最期を迎えたのでしょう。 結実部にツヤがあるのでどうやら未熟で 子嚢殻が形成途中みたいですね。 コイツらは持ち帰って追培養すれば胞子の観察ができるかも知れませんね。 にしてもホントに空中湿度が低い場所なのに良く生育できるモノだと関心。 こうして見ると大半が木の幹のオーバーハングした部分に付いていますね。 褐色の菌糸が目立ちます。 やはり宿主は ミカドオオアリで間違い無さそうですね。 なんと 頭だけになったアリから発生していました。 樹皮の端にガッチリ噛み付いているため胴体が落ちても頭が残ったようです。 と言うかこれで本種の菌本体は頭側にあるってのが確信できたって感じです。 アゴの周囲に菌糸が集中していること、胴体が萎んでいることにも合点がいきます。 皆見慣れない姿です。 幹に付いたかなり古い宿主から何やら白い物体が出ていますね・・・。 標本用に採取して持ち帰ります。 ただ本種の不完全世代はハナサナギのようにはならないとの説もあります。 現地では先端部が白くなっているのは別の菌の重複寄生と思ってました。 ただもしかするとコッチが アナモルフかもとのこと。 もうこの里山一帯が発生範囲と考えて良さそうです。 凄い規模ですわコレ。 この範囲でこの密度ならば100単位どろか 1000行ってそうな気がします。 今まではミカドオオアリばかりでしたが初の ムネアカオオアリが宿主です。 やはり大型だからでしょうか?ストローマが複数伸びていてカッコイイです。 クビオレアリタケみたいですが成長点が綺麗な 紫色なのでイトヒキです。 鮮やかな紫色だったストローマも見慣れた褐色に変化して重厚感アップ。 そしてやたら立派だった理由も判明。 これ実は 女王アリだったんですよね。 複数のストローマを出す宿主を観察ててワーカーじゃないと気付きました。 どうもトビムシの住処になっているようで、払っても払ってもわらわらと・・・。 手前のボケている紫色の塊ができ始めの未熟な結実部です。 本種はやはり近縁なタイワンアリタケと比べて 結実部が貧弱な印象ですね。 ストローマの長さだけを見ればイトヒキの方が長いことが多いんですけど。 枯れ行くナラ枯れを残して広葉樹の低木が根こそぎ伐採されたのです。 そのため林内湿度が下がり、イトヒキが付ける程良い木も消え去りました。 ショックを受けて遠く離れた以前から訪れていたフィールドへ行きました。 は? 普通に居るし!何年も通っていたのに今まで気付かなかったとは! どうやらウチの近所では本種はかなり普通種みたいですね。 少し安心です。 かなり環境が破壊されて心配しましたが、何だかんだで元気で安心です。 この木はミカドの墓場となっており、一本の幹に無数の死骸が・・・。 ニイニイゼミの抜け殻が覆い被さっています。 恐らく宿主は年を越していると思われるので、セミは後付のようです。 良い感じの子実体だったので気合い入れました。 撮影している時は気付きませんでしたが、ストローマに トビムシが居ました。 まずは結実部を薄くスライスして 子嚢殻の断面を観察。 みっちり詰まっていた子嚢と側糸が大量に漏れ出してきました。 埋生なので分かりにくいですがちゃんと子嚢殻なんだなと感じたり。 子嚢先端の 肥厚部がハッキリ見えます。 この先端部の厚みは実に冬虫夏草の子嚢だなって感じですね。 タイワンアリタケに比べるとあまり子嚢の先端が尖っていないような。 近縁なタイワンアリタケよりも少し短いのかな? この辺は過去の文献とも食い違う部分もあるようで、今度タイワンも観察しようと思います。 本当は隔壁があるのですが、 未熟なことと私自身の観察技術の低さから確認できませんでした。 染色してから観察すると肥厚部がハッキリ見えて感動しました。 胞子が吹き出すための頂孔も染色によって見えやすくなっています。 試薬ってホント大切ですね。 確かにところどころ 隔壁が見えています。 過去の文献によるとこの隔壁部から二次胞子に分裂するそうですが、不思議とその後 確認されていないみたいです。 確かにこの隔壁の感じは分裂するようなタイプには見えないかも。 この胞子はやや未熟の可能性が高く、次は成熟した胞子で隔壁を数えたいと思います。 Y氏より「 子嚢殻の感じからして未熟」とのご指摘を頂きました。 やはり子嚢殻を潰して観察するのは当たり外れがあるようで、胞子の自然噴出を待つのがベストのようです。 まぁ潰したおかげで子嚢なんかも観察できたのでそれはそれでヨシとし、今回はしっかりと胞子を噴いてもらいました。 空気の流れが生じない容器内に逆さ釣りにして落ちるのを待ちました。 もうこの段階で明らかに前回とは違う結果が出ているのが分かりますね。 何よりも今回は前回全くと言ってよいほど見れなかった隔壁がハッキリ見えています。 隔壁の数にはバラつきがありますが、数えてみると 5個であることが圧倒的に多いようです。 となると6つの細胞から成るワケですが、順当に分裂すれば8個になるので少し足りない感じです。 胞子も痩せてます。 しかし子嚢胞子観察段階ではあの隔壁が分裂するものには見えませんでした。 実際に分裂したと思しきものを観察しても、分裂した部分がどうも切れただけにも見えます。 もしかすると外的要因で切れやすいだけで自然には分裂しないのではないか?と思われました。 狙うは地下生菌だったんですが、這いつくばっていたら発見しました。 コケに隠れていましたがボディが新鮮で光沢があったので気付けました。 しかもこの場所での発見は地味に初。 新発生地発見となりました。 イトヒキは以前からずっと観察していたフィールドが伐採で荒れてしまい絶望に浸っていました。 しかし最近では出そうな環境が少しずつ分かってきた気がします。 梅雨頃になったら急成長するかもですね。 ざっと探しただけでもかなりの数の発生が見られたので、ここは要チェックですね。 そう言えば年末の地下生菌オフにて近縁なタイワンアリタケを見たばかりです。 そのため本種の結実部の 扁平さは凄く体感できました。 別種だと確信できましたね。 そう、不適切場伐採でスカスカになった場所です。 予想通りと言いますか、 残されたコナラはナラ枯れで立ち枯れに変貌。 低木はことごとく伐採されたので、残るのは植林のヒノキ、モウソクチク、そしてアセビやネジキなどの低木。 これでは高湿度を保つことができません。 マジで余計なことしてくれたなと言う感想です。 それでも比較的まだ木が残っている場所を探すと残っていました。 夏を経験して秋以降にどれだけ新規発生があるかをチェックする必要があるかも知れませんね。

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