辻井 伸行 ショパン。 辻井伸行

辻井伸行という盲目の天才ピアニストのご紹介【母と2人3脚で歩んだ世界への道】|クラシックなひと時

辻井 伸行 ショパン

今回は、その第2夜となる6月14日(日)の<英雄ポロネーズ~ショパン名曲集>を聴きに、コンサートの収録現場である都内某所の小さなサロンへ赴いた。 同公演で演奏されたF. ショパンは、1810年頃のワルシャワ公国(ポーランド)に生まれ、僅か39年の生涯で200曲を超えるピアノ曲を世に送り出したロマン派の作曲家だ。 6月14日(日)に演奏されたショパンの楽曲群は、演奏会やテレビ等で耳にする機会が特に多く、かつショパンの魅力が凝縮された作品ばかりだったので、非常に満足度の高いものだった。 加えて、今回は特にピアニストの個性が出やすい楽曲が選択されていたように思う。 今回演奏されたショパンは、どの曲も冒頭部分だけで辻井の個性や演奏方針がはっきり表れていた。 この日、辻井が初めに演奏したのは「ノクターン 第2番 変ホ長調 Op. 9, No. 2」だった。 ショパンは全21曲のノクターンを残しているのだが、この「第2番」は特に有名な作品だ。 敢えて過剰な抑揚をつけず、どこかあどけない印象の演奏は、オルゴールや、子供部屋の夜の景色を思わせる。 終結部では音色が深く倍音に沈み、コンサートの幕開けのチャイムのようだった。 挨拶と楽曲紹介を挟んで、温かい空気の中、雨音を美しく描写した前奏曲「雨だれ」の演奏が始まる。 同曲が含まれる『24の前奏曲 Op. この頃のショパンは男装の麗人として知られる女流作家ジョルジュ・サンドと恋人の関係にあったが、持病の肺病みが悪化し、命にかかわる状態にまでなっていたという。 そのためか、印象派の絵画のようなこの作品群にも、各曲の隅々には退廃的な空気が見え隠れする。 演奏前、「今の時期にぴったり」と辻井が語っていたように、コンサートの日の東京には大粒の雨が降っていた。 「雨だれ」は譜面上では簡素な作品ながら、辻井の打鍵する1音1音は、頬に落ちる雨粒のように肉感的だ。 ハンマーが弦を叩く際の僅かなノイズも聞こえてくるほどの緊張感の中、左手の旋律は朗々と、古い讃美歌を歌う男声合唱に似た均一な響きを作る。 続けて演奏された「幻想即興曲 嬰ハ短調 Op. 66」は、ショパンの作品の中で最も有名かつ、最も頻繁に演奏される作品だろう。 辻井は小学生の頃からこの曲に憧れ、耳で音を拾ってレッスンで弾いたところ、ピアノの先生から「完璧!」と称賛されたという。 辻井の弾く「幻想即興曲」は、確かな技術に裏打ちされている、地に足の着いたものだった。 コンサートの前半部で最後に演奏された「スケルツォ 第2番 変ロ短調 Op. 31」は、辻井が17歳の頃にショパンコンクールで演奏した思い出深い作品とのこと。 開始10秒で演奏者の個性が出る同曲だが、辻井の解釈は、まず譜面を尊重し、しっかりと腰を据えて、作品の持つあらゆる側面をひとつずつ紹介していくものに思えた。 中間部では同一の音型の反復を打鍵のニュアンスで変化させ、音自体の色彩感を繊細に魅せる。 続く舞曲的な部分に突入すると、演奏は急激な熱を帯び、煌びやかで透明感のあるスケールも風のように吹き抜けていく。 呼吸を忘れて惹きこまれる、情熱と遊び心が混じった演奏だった。 短い換気休憩を終えた後半の冒頭では、「ノクターン 第20番 嬰ハ短調《遺作》」の暗く沈んだメロディが奏でられた。 どこかエキゾチックで歌曲的な旋律は、ピアノの一番深い空洞に反響させるように、朗々と奏でられていた。 楽曲紹介を挟み、辻井はショパンが作曲した24のバラードのうち、最初に生み出された「バラード 第1番 ト短調 Op. 23」を披露。 この曲は古風な雰囲気の中に近現代的な風が入り混じる独特な作品で、今回の演奏ではその特徴が存分に示されていた。 冒頭部分を提示にとどめ、表現の幅を少しずつ三次元的に広げて、最後には力強く終結する。 そのドラマチックな構成を作り上げるのは、演奏者の手腕だ。 それ故にピアニストは十人十色の解釈を指先に乗せる。 辻井の「バラード 第1番」では、特有の旋律の強調や、音色の微細な変化を楽しむことができる。 音楽と真っすぐに向き合う彼のピアニストとしての姿勢を示すような演奏だった。 本編の最後に披露された「英雄ポロネーズ(ポロネーズ 第6番 変イ長調 Op. 53)」は、一種の象徴的な作品だ。 なお、この「英雄」という題は、演奏難度や作品の雰囲気から第三者につけられた愛称で、特定の人物や事件を表現した作品ではない。 曲を弾き始める前、赤ん坊の頃から「英雄」が好きで、母が音源を流すと足をばたつかせていたというエピソードを披露してくれた辻井だが、演奏はその「好き」を強く感じさせる、歓喜に満ちたものだった。 たっぷりとしたテンポで提示される主題は誇張されすぎずに舞踏的な雰囲気を帯び、舞曲としての「ポロネーズ」を聴き手に意識させる。 しかし音色の表現の多彩さはオーケストラの演奏を思わせ、ピアノという枠を超えて、協奏曲のような響きとなっていた。 ファンファーレを過ぎると、楽譜は民謡風の泥臭さをも感じさせてくれるが、それはやがて辻井の手により、ショパン特有の華麗で荘厳なメロディに導かれていく。 鐘を打ち鳴らすようなフィナーレを一気に駆け抜けると、昼下がりのサロンは静かな喝采に包まれた。 アンコールではF. シューベルトの「即興曲90-3」と、ショパンの「革命のエチュード(練習曲作品10-12)」を披露。 最後まで贅沢な演奏会となった。 梅雨どきの週末の夜に、家でまったりとくつろぎながら、最高峰のピアニストの演奏を聴くひとときを。 来週6月21日(日)のオンラインコンサートでは、辻井が得意とするF. リストの楽曲の他、M. ラヴェルやC. ドビュッシーといった近現代を代表する作曲家の作品も演奏されるとのこと。 繊細な指先はどのように音楽を紡ぎ出すのか、楽譜を眺めて空想するだけでも楽しみだ。 また、7月4日(土)20:00からは、ヴァイオリニストの三浦文彰と辻井のデュオによるオンライン・サロンコンサートが配信される。 深い情熱を技術にのせる若きデュオの演奏を、お楽しみに。

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本日の公演のため、お客様方への公演中止あるいは延期のご案内をする時間が ございませんので、公演自体は実施いたしますが、ご来場されないお客様方で ご希望の方には払い戻しを承ります。 オペレーターがご説明させていただきます。 <スタッフについて> 公演スタッフの健康状態を確認した上で、除菌・手洗いを徹底した運営を行います。 また、感染予防のため、公演時にスタッフはマスクを着用させていただく場合があります。 咳・くしゃみなどの 症状のある方は必ずマスクをご着用ください。 マスク非着用の場合はハンカチ・ ティッシュ・着衣の袖などで口や鼻を覆う等の「咳エチケット」にご協力をお願い致します。 詳細は以下曲目部分をご確認くださいませ。 曲目の変更はございません。 [変更後] シューベルト:4つの即興曲 Op. ========================================================== 【プロフィール】 辻井伸行(ピアノ)Nobuyuki Tsujii, piano 2009年6月に米国テキサス州フォートワースで行われた第13回ヴァン・クライバーン国際 ピアノ・コンクールで日本人として初優勝して以来、国際的に活躍している。 カーネギー ホール、ウィーン楽友協会、ベルリンのフィルハーモニー等で演奏会を定期的に行い、 ロンドンの「プロムス」やサンクトペテルブルクの白夜祭等の世界的な音楽祭にも数多く出演 している。 エイベックス・クラシックスより継続的にCDを発表し、2度の日本ゴールドディスク 大賞を受賞。 作曲家としても注目され、映画《神様のカルテ》で「第21回日本映画批評家大賞」受賞。

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辻井伸行の海外の反応まとめ。日本人初優勝の実力。パリ公演で高い評価

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2009年アメリカのテキサス州フォートワースで開催された「第13回 ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクール」。 日本人として初優勝という優秀の美を飾った日本を代表するピアニスト。 辻井伸行さんをご存知でしょうか?21歳の若さで受賞されていることもすごいのですが、盲目というハンデを持ちながらの受賞はまさに圧巻です。 番組でも何度か特集を組まれ、ご覧になった方もいるのではないでしょうか?彼の魅力は、その人柄の中にもあるようです。 山形の桜 辻井いつ子さんのブログ 昨年の25日のクリスマスサンタさんに伸行が山形でコンサートをしたとき、 いただいた桜が満開となりました桜 — NobuTsujiiFan mlliu2006 ざっくり• 辻井伸行さんのプロフィール 東京都豊島区出身。 産婦人科医の父と元アナウンサーの母の間に1988年9月13日第一子として産まれております。 眼球が育たない「小眼球症」を診断され、光がない世界での毎日。 しかし、視力以外の感覚は優れていたようです。 2歳にしておもちゃのピアノで「ジングルベル」を弾いてご両親は、その時伸行さんの才能を見出したようですね。 小学生になると筑波大学付属盲学校(現在 視覚特別支援学校)に通うようになり、学校でもピアノの腕前を披露し、拍手をもらう度自信がついていったようです。 どんどん難しい曲にチャレンジしていったそう。 どんな曲に挑もうと「難しい」ではなく、「きれいな曲」と表現していたようです。 小学部を卒業後、東京音楽大学付属高等学校(音楽家コース)進学、卒業。 小学1年〜高校3年もの間、ずっと川上氏の元でご指導受けられていたようです。 2011年の3月には上野学園大学(演奏家コース)を卒業。 全盲というハンディキャップをものともせず、世界的に活躍されているピアニスト・辻井伸行さん。 1998年、大阪センチュリーオーケストラ楽団と共演。 1999年度の行われた「ピティナ・ピアノコンペティション」では「もみの木」を演奏して見事に優勝!2000年にソロとしてリサイタル・デビューを果たしています。 2002年には今でも親交の深い佐渡裕指揮者との共演。 2005年には、「第15回 ショパン国際ピアノ・コンクール」に最年少参加にして「批評家賞」を受賞しています。 その後も数多くのリサイタルや、有名楽団、指揮者の方との共演から、ソロでの活動をこなしております。 冒頭でお伝えした2009年「ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクール」ではファイナルで演奏したリストの「ハンガリー狂詩曲第2番」。 「優勝者が2人」チャン・ハオチェンさんと共に見事優勝。 今では世界でも活動する程の腕前と人気を兼ね揃えています。 23歳」の時には「カーネギーホール」での「大ホールソロ・コンサート」を果たす。 普段あまり緊張しない辻井さんもこの時ばかりは大緊張したとか。 他にも2007年ではエイベックスよりCDデビューを飾っています。 ショパンの「革命のエチュード」を弾いてる姿を見て、辻井伸行さんの凄さを改めて知ったわ — りょーま goodstrawberry 辻井さんの持つ魅力 今に至る辻井さんの乳児期エピソードを一つご紹介します。 生後8ヶ月の頃、ブーニン演奏の「英雄ボロネーゼ」を流していたらとても機嫌が良かったという辻井さん。 あまりにも聴きすぎてCDが擦りきれてしまい、違う演奏者の「英雄ボロネーゼ」を流したところ機嫌は悪いまま。 まさかという思いでブーニン演奏の「英雄ボロネーゼ」を再購入、流してみると手足をばたつかせて喜んだようです。 つまり「英雄ボロネーゼ」の曲だけでなく、ブーニン演奏の「英雄ボロネーゼ」を好みしっかり聞き分けていたのですね。 作曲の活動も力を入れてる辻井さん。 作曲活動もされており、2011年には映画「神様のカルテ」の曲として「第21回日本映画批評家大賞・映画音楽アーティスト賞」受賞しています。 その他にも積水ハウスのCMソングを手がけたり、映画「はなぶさ〜遥かなる帰還〜」(2012年)。 ドラマ「それでも、生きていく」の主題歌にもなっています。 また母である、いつ子さんのラジオテーマソング「今日の風、何色?」も手がてけいます。 ピアノ以外にも水泳や乗馬など数多くの趣味の持ち主!お酒を飲む事も好きなようで、ドキュメンタリー番組内で海外の出掛け先のバーで知り合った人と音楽セッションしたり、国境も越え、誰からも愛される人柄が伝わります。 某バラエティー番組では、好きな女性のタイプを聞かれて「浅田真央ちゃん」と答えたり、「合コンに行ってみたい」「カラオケ好き」など…. 飾らない素顔を見せてくれています。 きっと私達には想像できない体験や、努力をされてきたのではないでしょうか。 しかし決して悲観的にならず、常に先の目標を見据えて、ピアノ以外にもどんどん進む姿!私は辻井さんから「心が暖かくなる栄養」をもらっています。 元気がほしい時、つらい時に辻井さんのCDを聞くと「フ〜」と、いい意味で力を抜くことが出来るのです。 実際にコンサートに行った時は綺麗な音色に「感動」という言葉で終わらせるには惜しい気持ちでした。 同じ曲を演奏されるピアニストはたくさんいます。 そこで個性を出すのは演奏者の技術はもちろんですが「人柄」ではないでしょうか?演奏後、会場を後にしてもなお鳴り止まないアンコールに何度も何度も姿を現し、答えてくれる辻井さん。 会場からは笑いもでて、クラシック初心者の私も心から楽しめるコンサートでした。 これからの活躍も楽しみで仕方がありません。 wikipedia. ascom-inc.

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