急性 前 骨髄 球 性 白血病 有名人。 急性骨髄性白血病 基礎知識:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]

渡辺亨チームが医療サポートする:急性前骨髄球性白血病編

急性 前 骨髄 球 性 白血病 有名人

本記事の内容• 再発・難治性の急性前骨髄球性白血病と再寛解導入療法 一度PML-RARAという遺伝子異常が消失した完全寛解の状態から、再度PML-RARAが検出されるようになった時点で 「再発」です。 この時点で自覚症状はないと思いますが、しばらくすると本格的に再発します。 急性前骨髄球性白血病は本格的に再発すると、初回診断時と同様に、重篤な出血など 生命にかかわる状態になってしまいます。 したがってPML-RARAが検出されるようになった時点で再発として治療を開始することをすすめます。 また、まれに初回治療からずっとPML-RARAが検出されつづけ、寛解後療法を終えてもPML-RARAが検出できてしまう場合がありますが、そのような症例は 「難治性」とされ、再発と同様の治療を行います。 三酸化二ヒ素を使用していない場合は、再発・難治性の治療(再寛解導入療法)を三酸化二ヒ素で行います。 2001 Sep 15;19 18 :3852-60. ほかの薬剤との比較はありません。 初回治療での有効性なども考慮して、三酸化二ヒ素の奏功はある程度期待できます。 ほかの薬剤として ゲムツズマブ オゾガマイシン(商品名:マイロターグ)があります。 小規模の比較なしの臨床試験では、2サイクルの投与で約55%でPML-RARAの消失を確認できました。 2004 Oct 1;104 7 :1995-9. 小規模の比較なしの臨床試験の場合は、比較試験ではないので全身状態のよい症例が多いと治療成績も上昇するなど、対象症例の状態により治療成績は変動します。 したがって小規模の比較なしの臨床試験の完全寛解率を単純に比較しても、どちらがよいかどうかは全くあてになりません。 ゲムツズマブ オゾガマイシンが三酸化二ヒ素よりも有効かどうかは全くわからないということになります。 ある程度の効果はありそうなので、三酸化二ヒ素が効かない場合に使用することになります。 最初の治療でアントラサイクリン系薬剤を使用していない場合は、 アントラサイクリン+シタラビンも初回治療での有効性なども考慮すると、奏効が期待できます。 上記に加えて、再発急性前骨髄球性白血病は脳などの 中枢神経にも白血病細胞が入っていく場合が約10%あります。 腰椎穿刺といって、背骨(腰椎)の間に針を刺して、そこから抗がん剤を投与し、中枢神経での白血病細胞の増加を防ぎます( 抗がん剤の髄腔内投与)。 治 療効果判定とその後の療法 自家および同種造血幹細胞移植 再発した急性前骨髄球性白血病は、診断時の急性前骨髄球性白血病よりも強くなっています。 最初の治療を生き残った白血病細胞が増殖し、またその増殖の過程でさらに進化するためです。 生存率を改善させるために、 自家造血幹細胞移植という方法があります。 自家造血幹細胞移植というのは、自分の造血幹細胞を採取・凍結保存し、 大量の抗がん剤で白血病細胞を自分の造血幹細胞とともに激減させ、その後に凍結していた自分の造血幹細胞を戻して、正常な血球を回復させる治療法です。 治療の主体は大量の抗がん剤です。 自分の造血幹細胞は血球回復のためのものです。 2016年に国際研究の結果が出版されました。 参加した各施設の過去の診療データから、再発急性前骨髄球性白血病に対して寛解導入療法で完全寛解に到達した症例のみを解析しました( 後ろ向き研究)。 この研究では寛解後に自家造血幹細胞移植を行った症例も解析しており、2年無再発生存率はおよそ75%でした 下図 Bone Marrow Transplant. 2016 Sep;51 9 :1180-3. この研究では、全生存率も自家造血幹細胞移植のほうが、三酸化二ヒ素のみの治療よりも2倍くらい良好でした。 001. 後ろ向き研究なので、確定的なことは言えません。 様々なバイアスが入るためです。 自家造血幹細胞移植と薬剤のみで治療したランダム化比較試験がまだないため、再発急性前骨髄球性白血病症例で自家造血幹細胞移植を行ったほうがいいかどうかははっきりしていませんが、薬剤のみで治療すると再発率が高いため、現時点では 自家造血幹細胞移植をすすめます。 ただし自家造血幹細胞移植はPML-RARAが検出されている状態では、ほぼ全例再発してしまうため推奨されません。 再発急性前骨髄球性白血病に対して、自家造血幹細胞移植を行った、小規模臨床試験の結果が1997年に出版されています。 15名の参加者中、 PML-RARAが検出されている状態で自家造血幹細胞移植を行った7名は14か月のうちに全例再発してしまいました。 PML-RARAが検出されない状態で自家造血幹細胞移植を行った8名は14か月で再発したのは1名のみでした。 では他の急性白血病のように 同種造血幹細胞移植(兄弟や骨髄バンクなどから採取した造血幹細胞を移植する)はどうでしょうか? 過去の臨床試験を再度後ろ向きに解析した結果が2005年に出版されています J Clin Oncol. 2005 Jan 1;23 1 :120-6. 以上から、 PML-RARAが検出されている状態では、自家造血幹細胞移植よりも同種造血幹細胞移植のほうがよいでしょう。 リスクも高いため同種造血幹細胞移植を行う場合は、 覚悟をもって行いましょう。 急性前骨髄球性白血病はそもそも再発させないことが大切 再発急性前骨髄球性白血病の治療について、大規模ランダム化臨床試験といった科学的信頼性の高い臨床試験はありません。 言えそうなことは、 再発急性前骨髄球性白血病は診断時よりも治療の奏効率が下がる・再発しやすいということです。 アメリカのNCCNガイドラインでも日本血液学会の造血器腫瘍ガイドラインでも治療は上記のような推奨となっていますが、医学的な根拠が乏しいため弱い推奨です。 急性前骨髄球性白血病の治療全体で重要なことは極力再発させないようにすることです。 再発するたびに急性前骨髄球性白血病は強くなります。 再発後に初発時と同じ治療をやっても奏効は落ちます。 再々発するともっと強くなります。 最初の治療がよくなるほど再発率は下がります。 最初の治療はその時で最も良いものを行いましょう。 再発してしまっても同様です。 その時で最も良い治療を行いましょう。 腰椎穿刺を行い抗がん剤の髄腔内投与も行います。 検出されてしまう場合は同種造血幹細胞移植を行います。 同種造血幹細胞移植は治療合併症のリスクも高いです。 参考文献 Soignet SL, Frankel SR, Douer D, et al. United States multicenter study of arsenic trioxide in relapsed acute promyelocytic leukemia. J Clin Oncol. 2001 Sep 15;19 18 :3852-60. Lo-Coco F, Cimino G, Breccia M, et al. Gemtuzumab ozogamicin Mylotarg as a single agent for molecularly relapsed acute promyelocytic leukemia. Blood. 2004 Oct 1;104 7 :1995-9. Meloni G, Diverio D, Vignetti M, et al. Blood. 1997 Aug 1;90 3 :1321-5. de Botton S, Fawaz A, Chevret S, et al. Autologous and allogeneic stem-cell transplantation as salvage treatment of acute promyelocytic leukemia initially treated with all-trans-retinoic acid: a retrospective analysis of the European acute promyelocytic leukemia group. J Clin Oncol. 2005 Jan 1;23 1 :120-6. Ganzel C, Mathews V, Alimoghaddam K, et al. Autologous transplant remains the preferred therapy for relapsed APL in CR2. Bone Marrow Transplant. 2016 Sep;51 9 :1180-3.

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べサノイド(一般名:トレチノイン)急性前骨髄球性白血病の治療を変えた、分化誘導療法薬

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分子標的薬に分類される経口薬で、「急性前骨髄球性白血病」(APL=acute promyelocytic leukemia)に高い効果を示し、現在、治療における第1選択薬として用いられています。 高い有効率に加え、他の抗がん剤のような強い毒性もなく、副作用が少ないという利点があります。 急性前骨髄球性白血病に効果を発揮するビタミンA誘導体 べサノイド(一般名トレチノイン)は、レチノイン酸というビタミンAの誘導体です。 レチノイン酸自体は、1955年にアメリカで合成され、シワやシミ、ニキビの治療薬としてFDAに認可されており、現在もレチノイン酸療法として美容領域で行われています。 その後、1980~90年頃に、レチノイン酸が、白血病細胞の増殖を抑制し、死滅させる効果があることがわかり、急性前骨髄球性白血病の治療薬として製品化されました。 日本では1995年に発売されています。 べサノイドを、急性前骨髄球性白血病以外に使用することはできません。 べサノイドには、未成熟な白血病細胞を成熟白血球に誘導するはたらきがあります。 つまり、正常な白血球と同じ成長の経過をたどらせることで白血病細胞を正常細胞に分化させるのです。 このことから、この薬剤を使った療法は、「分化誘導療法」と呼ばれています。 古くからある薬ですが、大きくは、がん細胞特有の分子を標的にし、正常細胞に害を与えず、がん細胞だけを狙って攻撃する、「分子標的薬」の一種といえます。 他には、乳がんに対するハーセプチン(一般名トラスツズマブ)、悪性リンパ腫に対するリツキサン(一般名リツキシマブ)、慢性骨髄性白血病に対するグリベック(一般名イマチニブ)、肺がんに対するイレッサ(ゲフィチニブ)などがこの分子標的薬に分類されます。 どれも各がんの従来の標準治療に大きな変化をもたらしており、近年の化学療法において、もっとも重要な役割を果たしていると言える薬剤群です。 白血病細胞を正常細胞に分化させる べサノイドの適応となる疾患は、急性前骨髄球性白血病のみですが、べサノイドの登場により、急性前骨髄球性白血病の治療は劇的に変わりました。 この薬剤を説明するにあたり、まず急性前骨髄球性白血病という病気について、簡単に解説します。 白血球や赤血球、血小板になる前の細胞である「芽球」が、白血球に分化する過程でがん化する病気が白血病です。 急性前骨髄球性白血病は、そのうちの前骨髄球の段階で白血病細胞化したものです。 白血病の原因や、発生機序については、まだはっきりとわかっていませんが、急性前骨髄球性白血病では、第15番染色体と第17番染色体の一部が切断されて入れ代わる「相互転座」が起こっていることが判明しています。 これに対し、大量のビタミンAを投与することで白血病細胞を正常細胞に分化させることを目的とした薬剤がべサノイドです。 単剤でも高い効果が期待でき、初回治療例の約8割が寛解に至るとのデータが出ています。 また、他の抗がん剤と組み合わせて使うことでより良い成績が報告されています。 併用する場合は、主にキロサイド(一般名シタラビン)、イダマイシン(一般名イダルビシン)、ダウノマイシン(一般名ダウノルビシン)、テラルビシン (一般名ピラルビシン)、アクラシノン(一般名アクラルビシン)、ノバントロン(一般名ミトキサントロン)などが用いられます。 特有な副作用レチノイン酸症候群 べサノイドはビタミンAの一種であり、一般的な抗がん剤に比べ、副作用は抑えられます。 しかし、大量のビタミンAを投与することになるため、中には重い副作用が起こることもあります。 一般的な副作用は、トリグリセライド(中性脂肪)上昇、肝臓機能障害(AST、ALTの上昇)、口唇乾燥、頭痛、発熱(後述のレチノイン酸症候群に伴なうもの)などです。 べサノイドに特徴的な副作用として、「レチノイン酸症候群」があげられます。 これは、発熱、呼吸困難、胸水貯留、肺浸潤、間質性肺炎、肺うっ血、心嚢液貯留、低酸素血症、低血圧、肝不全、腎不全、多臓器不全などが発現するもので、充分な注意が必要な重篤な副作用です。 これらの症状が認められた場合には、投与を中止し、ステロイド(副腎皮質ホルモン剤)を大量に用いるパルス療法と呼ばれる治療を行います。 また、本剤には催奇形性(胎児に奇形などの影響を及ぼす)が確認されています。 そのため、妊娠中のまたは妊娠する可能性のある患者に使用する場合は、投与開始前と投与中及び投与中止後それぞれ1カ月間の避妊や、正常な生理周期の2、3日目まで開始しないこと、妊娠検査の実施などが注意事項としてあげられています。 その他、ビタミンA製剤(チョコラAなど)を併用することは、ビタミンA過剰症(皮膚の剥離、食欲不振、頭痛、吐き気や肝障害など)と似た副作用が起こることがあるとの理由で禁止されています。

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渡辺亨チームが医療サポートする:急性前骨髄球性白血病編

急性 前 骨髄 球 性 白血病 有名人

急性白血病は遺伝子変異により増殖能を獲得するとともに、分化能を失った幼若造血細胞(芽球)が自律的に増殖する造血器の悪性腫瘍疾患である。 FAB分類では骨髄または末梢血標本の染色所見および表面抗原検査により細分類されるが、WHO分類(第4版)ではこれらに加えてAMLに特異的な染色体異常・遺伝子変異の有無、抗がん剤・放射線治療歴の有無等に基づいて細分類される。 急性骨髄性白血病(AML)のFAB分類 表2. 急性骨髄性白血病(AML)のWHO分類(第4版) 病因 Pathogenesis AMLの症状には、正常造血の抑制に基づくものと芽球の浸潤によるものとがある 2。 正常造血の抑制では、貧血による全身倦怠感や動悸・息切れ、血小板減少による出血症状、正常白血球減少に伴う感染症状がある。 急性前骨髄球性白血病(Acute promyelocytic leukemia: APL、FAB分類のM3)では播種性血管内凝固症候群(DIC)を合併しやすく、出血症状が生じやすい。 AML芽球はリンパ節、中枢神経系、肝臓、脾臓などに浸潤することがあり、それぞれリンパ節腫脹、頭痛や嘔気・嘔吐、肝脾腫などを認めることがある。 特に単球系の形質を持つAML(FAB分類のM4やM5)では、歯肉腫脹や皮膚浸潤をしばしば認める。 また、腫瘤形成するAMLもあり、骨髄肉腫/顆粒球肉腫と呼ばれる。 白血病においては特異的な症状で発見されることは少なく、不特定の症状が長引くことが疾患を疑う契機になる。 診断 Diagnosis AMLの治療の主体は多剤併用化学療法であり、その中心を担う薬剤はシタラビン Ara-C とアントラサイクリン系抗がん剤である 2。 これらの2剤を中心に用いた寛解導入療法と大量Ara-C療法を含む強化療法を計4~5コース程度行うのが標準的である。 小児AMLで用いられているアントラサイクリンとしては、ダウノルビシン、イダルビシン、ミトキサントロンなどがあるが、その優劣については結論が出ていない。 その他、Ara-Cとアントラサイクリン以外の第3の薬剤を併用することの意義も必ずしも明確ではないが、小児AMLにおいてはエトポシドなどが併用されることが多い。 AMLでは前記多剤併用化学療法に加えて、一部の症例においては同種造血幹細胞移植が行われる。 造血幹細胞移植の適応は、予後因子に基づいたリスク層別化によって決定される。 APLでは、AMLに対する通常の多剤併用化学療法に加えて、全トランスレチノイン酸(ATRA)による分化誘導療法が併用される。 更に、APLでは強化療法後にATRAを用いた維持療法も行われる。 APLの再発・難治例に対しては、ATRAと同様に分化誘導効果のある三酸化ヒ酸(ATO)が用いられることもある。 ダウン症に発症したAMLでは、治療合併症が多い一方で、Ara-Cなどの抗がん剤に対する治療反応性が良好であることが知られており、通常の小児AMLよりも治療強度を減じた多剤併用化学療法が行われる。 予後 1. Swerdlow SH, et al. WHO Classification of Tumors of Haematopoietic and Lymphoid Tissues. IARC: Lyon 2008 2. Cooper TM, et al. Chapter 20. Acute Myeloid Leukemia, Myeloproliferative and Myelodysplastic Disorders. Principles and Practices of Pediatric Oncology. Pizzo PA. 6th ed. 2011, 566-610. Horibe K, Saito AM, Takimoto T, et al. Incidence and survival rates of hematological malignancies in Japanese children and adolescents 2006-2010 : based on registry data from the Japanese Society of Pediatric Hematology. Int J Hematol 2013;98 1 :74—88 4. Tsukimoto I, Tawa A, Horibe K, et al. Risk-stratified therapy and the intensive use of cytarabine improves the outcome in childhood acute myeloid leukemia: the AML99 trial from the Japanese Childhood AML Cooperative Study Group. J Clin Oncol 2009;27 24 :4007-4013 5. Kaspers GJL, Zimmermann M, Reinhardt D, et al. Improved outcome in pediatric relapsed acute myeloid leukemia: results of a randomized trial on liposomal daunorubicin by the International BFM Study Group. J Clin Oncol 2013;31 5 :599-607 6. Imaizumi M, Tawa A, Hanada R, et al. Prospective study of a therapeutic regimen with all-trans retinoic acid and anthracyclines in combination of cytarabine in children with acute promyelocytic leukaemia: the Japanese childhood acute myeloid leukaemia cooperative study. Br J Haematol 2010;152 1 :89-98 7. Kudo K, Kojima S, Tabuchi K, et al. Prospective study of a pirarubicin, intermediate-dose cytarabine, and etoposide regimen in children with Down syndrome and acute myeloid leukemia: the Japanese Childhood AML Cooperative Study Group. J Clin Oncol 2007;25 34 :5442-5447 8. Taga T, Saito AM, Kudo K, et al. Blood2012;120 9 :1810-1815 版 :バージョン1. 1 更新日 :2015年6月23日 文責 :日本小児血液・がん学会.

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